(ブルームバーグ): 今の世界はインフレに苦しんだ1970年代とは異なるため、米連邦準備制度は変化する物価圧力への対応で引き続き適切な立ち位置にある。イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)委員に新たに起用されたキャサリン・マン氏がこう指摘した。

  シティグループのチーフエコノミストなどを歴任したマン氏は6日にオーストラリア国立大学主催の会合にビデオ会議システムを通じて参加。70年代と現在の類似性や、米国の消費者物価指数(CPI)が7月に前年同月比5.4%上昇したことへの米金融当局の対応の必要性について問われたのに対し、「歴史は重要な道しるべだ。われわれは常に過去のデータに注意を払う必要がある。しかし、過去の制度上の違いの幾つかにも注意すべきだと思う」と述べた。

  マン氏は現在と70年代を区別する4つの要素を列挙した。

現在よりも70年代の方が賃金と物価の相互連動の度合いが強かった70年代は為替相場と原油価格が「急速に変化した時期」で、当時はインフレ期待が固定されたことはなかったフィリップス曲線の傾きは当時、賃金と労働市場逼迫(ひっぱく)との関係がここ10−15年よりも「はるかに強い」状況にあった企業が価格決定力を持ち、それを利用する程度。マン氏によると、企業は世界的な金融危機の後、値上げを「定着」させることができなかったのを覚えている。今状況は多少変わっているが、企業は値上げをためらっている

  マン氏は「このため米金融当局は後手に回っておらず、インフレ動向に応じてその懸念に対処するための手段を備えていると言える」と論じた。

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