(ブルームバーグ): シティグループではマスク着用が義務化され、バンク・オブ・アメリカ(BofA)の従業員は会議室でまだ互いの距離を保たなくてはならない。JPモルガン・チェースのインベストメントバンカーやトレーダーらはオフィス近くのレストラン「モンキー・バー」で憂さ晴らしすることができなくなった。同レストランは新型コロナウイルス禍で閉まっている。

  ウォール街の企業は何とかオフィス復帰を果たした。ただ業界幹部らが望んでいたような戻り方ではない。

  トップバンカーらは過去何カ月にもわたり、平常復帰のタイミングとしてレーバーデーの祝日後の週を挙げてきた。しかし、デルタ変異株の感染拡大がこの計画を一変させ、多くの大手企業がオフィス復帰を先送りした。

  一方でウォール街は、当初の予定に比べれば重い足取りながらも復帰計画を進めている。現時点ではワクチン接種を済ませた従業員が中心で、マスク着用が大抵義務付けられている。アップルやアマゾン・ドット・コム、フォード・モーターなどの大手企業は従業員の職場復帰を来年に計画しており、毎日通勤しなくてもよいとしているが、銀行幹部は広範なオフィス復帰という考えを断念していない。

  ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループのリッチ・ハンドラー最高経営責任者(CEO)とブライン・フリードマン社長は従業員に今月宛てた文書で、「夏が終わった後に速やかに平常に戻るという当初の期待は、デルタ変異株によって外れたようだ」と記述。「10月の本格復帰を目標に、9月に一部従業員がオフィスで働くことを大いに期待しているが、全てのデータを引き続き注意深く観察し、状況に応じてわれわれの見解を明瞭に共有する意向だ」と説明した。

  非営利団体「パートナーシップ・フォー・ニューヨークシティー」が実施した8月の調査によれば、マンハッタンの金融サービス従事者のオフィス復帰率は30%に満たない。ニューヨーク市全体では、雇用主の間で夏季終了後の復帰という期待がしぼんでいる。今月末までに復帰するオフィスワーカーの割合について雇用主は41%と予想。5月時点では60%超と見込まれていた。

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