(ブルームバーグ): 自民党総裁選への出馬を表明している岸田文雄前政調会長は8日の記者会見で、中間層復活のための政策として金融所得課税の見直しに取り組む考えを示し、税率のカーブが下がる「1億円の壁打破」を掲げた。

  岸田氏は会見で、「1億の壁」は成長の果実の分配や国民の一体感を取り戻すという点から「考え直す、見つめ直す必要があるのではないか」と話した。

  金融所得課税を巡っては、総裁選への出馬の準備を進める河野太郎行政改革担当相が著書で「金融市場への配慮は必要」としつつ、「税率を一定程度引き上げるといった対応を検討するべきではないでしょうか」と記している。高市早苗前総務相も、月刊誌のウェブサイトで、金融所得税制は逆進性が大きいとして増税する考えを明らかにしている。野党からは富裕層優遇との批判が出ていた。

  岸田氏は小泉政権以来の新自由主義的政策からの転換を図るとも強調。デフレ脱却へ、 大胆な金融政策、機動的な財政政策 、成長戦略の3本柱を堅持する方針を示した。

  原子力発電に関しては「クリーンエネルギーの選択肢として考えていかなければならない」と述べた。原発の新増設に関しては「その前にやることがある。既存の原発の再稼働をしっかり進めていくことが大事だ」と述べるにとどめた。

  総裁選(17日告示、29日投開票)では、安倍晋三前首相が支援する高市氏も午後に記者会見し、正式に立候補を表明する見通しだ。 

 

(岸田氏の政策を追加しました)

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