(ブルームバーグ): トヨタ自動車は29日、8月のグループ全体の世界生産台数が前年同月比約13%減の約63万台だったと発表した。国内メーカーでは5社が2ケタ超の減少となり、新型コロナウイルス禍で深刻さを増す部品供給不足の影響が拡大しつつある。

  トヨタの発表資料によると、トヨタ単体の生産は16%減だった。グループのダイハツと日野自動車は前年同月を上回る生産実績となっており、トヨタの落ち込みが目立つ。単体でもグループでも世界生産が前年同月を下回るのは1年ぶり。

  コロナ感染拡大の影響で自動車業界のサプライチェーン(供給網)には混乱が広がっている。これまで半導体だけでなくマレーシアのロックダウン(都市封鎖)の影響で現地での操業が制限されたため、他の部品にも不足する品が出た。

  半導体不足の影響が限定的だったトヨタは部品不足を受けて8月下旬から一部の工場の稼働を停止し、9月と10月の世界生産を4割程度減産することを公表。今期(2022年3月期)の生産台数見通しも従来の930万台から「900万台レベル」に引き下げている。

  日産の発表によると、8月の世界生産は前年同月比13%減の約26万台となった。ホンダも同約30%減の約27万台だったと明らかにした。

  コンサルティング会社アリックス・パートナーズは今月、2021年の世界の自動車生産台数の見通しを当初想定比で770万台減の7690万台に下方修正した。また、今年の生産損失額は2100億ドル(約23兆円)と予測し、5月時点の想定からほぼ倍増した。

  SMBC日興証券の木下壽英シニアアナリストは15日付のリポートで、半導体生産の見通しを踏まえると各社の生産台数は「早ければ10月半ば以降に回復が始まり、本格回復は11月に入ってから、と考えるのが妥当」と指摘した。

  コロナが各国で拡大と収束を繰り返す限り、トヨタで起こったような「突然の大幅減産リスクというのは潜在的なリスクとして存在し続けると認識しておくのが合理的」との考えも示した。

 

 

 

(トヨタ以外の各社の実績を追加して更新します)

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