(ブルームバーグ): バイデン米大統領の経済計画が民主党内の対立で前進を阻まれる中で、同大統領は29日、側近と共に膠着(こうちゃく)状態の打開に向けて奔走した。政府機関の閉鎖および政府のデフォルト(債務不履行)を回避する期限が迫りつつある。

  バイデン氏は、党内の進歩派と穏健派に歩み寄りを促すため29日に予定していたシカゴ訪問を取りやめた。3兆5000億ドル(約391兆円)の税制・支出計画の規模と範囲を巡る意見の相違が政権の掲げる経済政策全体を頓挫させかねない状況にある。

  ペロシ下院議長とシューマー民主党上院院内総務は29日午後、ホワイトハウスでバイデン大統領と会談した。ペロシ氏はその後、超党派のインフラ包括法案を30日に下院本会議で採決する方針をあらためて示した。

米下院、債務上限の適用停止法案を可決−上院通過ない見通し

  バイデン氏は民主党穏健派のシネマ上院議員を説得するため、リケッティ大統領顧問とテレル立法担当ディレクター、国家経済会議(NEC)のディース委員長を派遣した。シネマ議員は3兆5000億ドルの規模が大き過ぎると主張している。法案可決には同議員の賛成票が不可欠。

  もう一人の党穏健派、マンチン上院議員は29日午後、下院で30日に予定されている超党派のインフラ包括法案の採決前に、税制・支出計画を巡る交渉が終わることはないと明言した。下院の進歩派は、税制・支出計画が上下両院を通過する前に5500億ドル規模のインフラ法案が本会議で採決にかけられれば反対票を投じると表明している。

  ペロシ議長はインフラ法案の採決に踏み切る構えだ。ホワイトハウスから戻った際に記者団に対し、「本会議で採決にかける計画だ」と語った。同法案は上院では既に超党派の支持で可決された。

  ペロシ氏は、会派の穏健派に対し30日の採決を約束してきたが、進歩派は反対に回るとの警告を強めている。

(ペロシ氏の発言などを追加して更新します)

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