(ブルームバーグ): バイデン米大統領は1日、自身の経済優先施策を巡り、その多くを盛り込んだ税制・支出法案の規模縮小見通しを下院民主党議員らに伝えた。これで、超党派のインフラ法案が直ちに採決される公算はなくなった。

  同議員らとの非公開会合でバイデン氏は上院可決済みの5500億ドル(約61兆1000億円)規模のインフラ法案について、下院採決を待てると発言。これにより、下院民主党で今週続いていた進歩派と穏健派の対立劇にいったん終止符が打たれた。また、どちらの派にも部分的な勝利がもたらされた。

  米社会を巡る問題や気候変動への対応の抜本的拡大を求め、その合意がなければインフラ法案の可決を阻止する構えだった進歩派に対し、大統領は同法案の結び付けを認めた一方、税制・支出法案の規模を現行計画の3兆5000億ドルから縮小させたい穏健派も支持を得た格好だ。

  会合を後にしたバイデン大統領は記者団に対し、「われわれはこれを成し遂げる」と述べた上で、「その時期はいつでも構わない。6分か、6日か、6週間かかるかは関係ない」と付け加えた。

  法案採決が無期限延期となった状況は、ペロシ下院議長にはめったにない誤算だ。同議長は、民主党の動向および下院での投票行動をしっかり把握する点で定評がある。当初は週内のインフラ法案採決を約束していた。

  バイデン大統領にとっては、有権者からの支持率を一段と低下させる恐れがある。新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染拡大や混乱を招いたアフガニスタンからの米軍撤収、インフレ高進を受けて、同大統領の支持率は最新のギャラップ調査で平均43%と、年初の57%を下回っている。

  カリフォルニア州選出のゴメス議員は、バイデン氏が税制・支出法案で合意が可能な仮定の規模として2兆ドルを示したと述べた。別の会合参加者によると、同氏は1兆9000億−2兆3000億ドルのレンジについても語ったという。

 

 

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