(ブルームバーグ): アジアでの新規株式公開(IPO)規模が7−9月(第3四半期)として過去最高となった。中国の広範な規制強化で香港市場は低迷したが、ブルームバーグがまとめたデータによると、韓国やインドなどの市場での大型上場もありアジアでのIPO総額は7−9月に560億ドル(約6兆2200億円)に達した。

  ゴールドマン・サックス・グループで日本を除くアジア株式資本市場の共同責任者を務めるウィリアム・スマイリー氏は「活動が続くだろう。株式資本市場のボリュームという点で2021年は依然として特別な年だ」と述べ、「世界の投資家は引き続きアジアの成長を手にしたいと考えている」との見方を示した。

  中国政府が企業締め付けと習近平国家主席の「共同富裕」戦略に沿った企業モデルの調整を進めたことから、世界の市場で中国株の時価総額約1兆ドルが7月に吹き飛び、香港の主要株価指数は8月に弱気相場入りした。

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  そのため、香港での7−9月のIPO総額は60億ドルと、4年ぶりに韓国を下回り、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で株式資本市場の機能が止まった20年初め以来の低水準に落ち込んだ。

 

韓国とインド

  韓国では人気ゲーム「プレイヤーアンノウンズバトルグラウンド(PUBG)」の開発で知られるクラフトンやオンライン専業銀行のカカオバンクなどが上場し、7−9月のIPO総額は104億ドルに膨らんだ。1−3月(第1四半期)および4−6月(第2四半期)の約4倍の水準だ。

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  インドでは同国内でフードデリバリー事業を展開するゾマトが13億ドル規模のIPOを7月に実施。10−12月(第4四半期)には電子決済サービス会社ペイティーエム(Paytm)もIPOを予定。インド最大規模となる可能性のある最大1660億ルピー(約2500億円)規模のIPOを申請している。

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  バンク・オブ・アメリカのアジア太平洋株式資本市場共同責任者アンビタ・アローラ氏は、「インターネットが普及しているインドはテクノロジーに精通した人材が豊富だ」と指摘。「インドにはテクノロジーの成功に向けたさまざまな要因の組み合わせがあり、全般的にテクノロジーIPOに向けた動きは非常に強い」と語った。

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