(ブルームバーグ): 日本戦略で13年に及ぶ連勝記録に向かっている米ヨーク・キャピタル・マネジメントのアジアチームは、2021年に新設される大手ヘッジファンド会社の一角になる見込みだ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  ヨーク・キャピタルが12月初旬にスピンオフ(分離・独立)するアジアのヘッジファンド事業は、MY.アルファ・マネジメントHKアドバイザーズ(MY.Alpha Management HK Advisors Ltd.)の新社名となり山口昌彦氏が率いる。運用資産は35億ドル(約3900億円)余りとなる見通しだ。この資産額には、「ヨーク・アジアン・オポチュニティーズ・ファンド」と、日本投資に重点を置き主に内部資金を使う比較的小規模の資金プールが含まれる。非公開情報だとして関係者は匿名を条件に話した。

  今回のスピンオフは、ヨークのジェイミー・ダイナン最高経営責任者(CEO)が昨年、ヘッジファンド事業の大部分から手を引くと発表した後の複数の行動の一つ。地政学的緊張や金利上昇観測、中国の規制引き締め懸念が市場に広がる中で、投資家は低迷期をしのげる力が証明されたヘッジファンドを追い求めている。

  ヨークのニューヨーク在勤広報担当を務めるジョナサン・ガスサルター氏はコメントを控えた。

  山口氏はヨークが香港事務所を設立した2007年の終盤に入社し、14年4月にアジア部門の責任者に就任。同氏の下で運用資産は5倍強に拡大し、ヨークがヘッジファンド事業の大部分からの撤退とアジア部門のスピンアウトを発表した昨年11月には27億ドルに達していた。

  投資家向けプレゼンテーション資料によると、アジアファンドは山口氏の指揮の下、米国以外の投資家向けに設計された「無制限」株で6月末までに年率12.6%のリターンを上げていた。ユーリカヘッジのアジアン・ヘッジファンド指数は同期間に平均7.9%、MSCIアジア太平洋指数は8.9%のリターンだった。

  同資料によると、日本戦略は08年以来、負けた年はなかった。アジアファンドは年初来で1桁台半ばのリターンで、日本の投資プールは手数料を差し引く前で20%台半ばだと関係者は話した。

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