(ブルームバーグ): 岸田文雄首相は8日午後の衆院本会議で所信表明演説を行い、マクロ経済運営について「最大の目標であるデフレからの脱却を成し遂げる」と表明した。

  大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略の推進に努めると明言。危機に対する必要な財政支出は躊躇(ちゅうちょ)なく行う方針を示した。「経済あっての財政であり、順番を間違えてはならない」と述べ、経済を立て直した上で財政健全化に取り組むと語った。

  岸田首相は、格差是正を重視した新しい資本主義を掲げ、成長と分配の好循環実現を目指す。成長戦略として、大学ファンドを年度内に10兆円に拡充し科学技術分野の人材育成を図る。分配戦略では、労働分配率の向上に賃上げを行う企業への税制支援を抜本強化すると主張した。

  新型コロナウイルス対応と新しい資本主義実現に取り組むため、「総合的かつ大胆な経済政策を速やかにとりまとめる」と語った。コロナで大きな影響を受ける事業者に対しては、地域や業種を限定せず、事業規模に応じた給付金を支給する方針だ。

  岸田首相は衆議院を14日に解散し、19日公示・31日投開票の日程で選挙を行う。就任直後の世論調査では、最近の政権の発足直後の支持率を下回り、複数の調査で5割を切る低調なスタートとなった。

(衆院本会議での演説終了を受け、時制を更新します)

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