(ブルームバーグ): 日産自動車は8日、次世代の生産システム「ニッサン・インテリジェント・ファクトリー」を日米の主要工場に導入することを明らかにした。

  日産の坂本秀行副社長はブルームバーグのインタビューで、第1弾として約330億円を投じ栃木工場に同システムを導入したのに続き、国内では追浜工場(神奈川県)と九州工場(福岡県)に展開する予定だと語った。米国では、主力の米ミシシッピ州キャントンとテネシー州スマーナの2工場に導入する考えだという。

  いずれの工場も設備刷新を理由に稼働率を落とす余裕はないため、新型車投入やモデルチェンジの合間を活用しながら、約7年をかけて順次次世代システムを導入していく。費用は栃木工場と同程度がかかる見通しだが、生産効率が上がるため、回収は可能だと坂本副社長は説明した。

  日産が栃木工場に導入したインテリジェント・ファクトリーは、パワートレイン(駆動装置)の組み付けをはじめ、作業員に高負荷がかかる一部作業をロボットが自動で行うなど多くの新技術を採用。自動化の推進で少子高齢化などに伴う人手不足に対応するほか、電動化や自動運転によるクルマ作りの多様化・高機能化にも備える。

  坂本氏によると、新型コロナウイルス感染拡大や世界的な半導体不足といった「予期せぬ事態への柔軟な対応」が可能な点も新生産システムの強み。工場に作業員が戻ってきにくい中、需要が急速に回復した現在のような状態でも対処ができるという。今後も半導体不足の解消やレアアースなど希少資源の調達難、パンデミック(世界的大流行)などに伴う生産変動への対応力は日産の大きな競争力になるという。

  半導体不足による影響は日産を含めて自動車業界全体に及んでいる。坂本副社長は、早期に半導体不足が解消し、自動車生産が完全回復するというシナリオは考えにくいとの見方を示した半面、事態は改善傾向にあると語った。日産の10月の生産台数は9月より増加する見込みで、11月はさらに良くなると述べた。

 

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