(ブルームバーグ): 米国は少なくとも1年間にわたり台湾に兵士を派遣し、中国による攻撃に備えて防衛力を高めるため台湾軍を訓練してきた。米国防当局者が匿名を条件に明らかにした。米中の緊張を一段と高める可能性が強い。

  米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)はこれに先立ち、特殊部隊を含めて米軍兵士24人余りが1年強にわたり台湾に派遣されていると報じており、同当局者は報道内容を確認した。小型艇を使って台湾海軍と訓練も実施しているとWSJは伝えた。

  中国は領土の一部と見なす台湾への圧力を強めており、中国軍機が多数、台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入している。米国は日本や英国を含む複数の同盟国と付近の海域で軍事演習を実施している。

  米国防総省のサプル報道官は7日の声明で、「米国は台湾海峡を含むインド太平洋地域の平和と安全、安定に変わらぬ関心を持っている」とし、 「米国は中台両方の人々の願いや最善の利益に合致するよう、両岸関係の問題の平和的解決を引き続き支援する」と述べた。

  米国は武装無人偵察機やF16戦闘機などを含む多額のハイテク兵器売却を中心に、台湾と何十年にもわたって緊密な軍事関係を築いてきた。台湾に少数の米軍部隊が存在する状況は前例のないことではないが、過去に公表されたことはない。

  ジャーマン・マーシャル財団でアジア・プログラムのディレクターを務めるボニー・グレイザー氏は「このような活動は訓練目的で何年も続いている」と指摘。その上で、「これまでこうした活動は表沙汰になっていなかった。意図的に今公表されているなら新しい展開であり、間違いなく中国からの反応を引き起こすだろう」と話した。

  中国外務省の趙立堅報道官は8日の記者会見で、米国は台湾から兵士を引き揚げるべきだと述べた。

 

(最終段落に中国外務省の記者会見を追加して更新します)

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