(ブルームバーグ): 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事が現在の職務を続けることが決まった。IMF理事会は、ゲオルギエワ氏が世界銀行勤務時に中国のビジネス環境に関するランキング決定に不当に介入したとされる問題の報告を検証した後、同氏の続投支持を決定した。

  ブルガリア人エコノミストのゲオルギエワ氏は、初の新興国出身のIMFトップとなったが、世銀の委託で法律事務所ウィルマーヘールがまとめた調査報告書が9月半ばに公表されて以来、進退が不透明になっていた。同報告書は、ゲオルギエワ氏が世銀の最高経営責任者(CEO)だった当時、世銀の年次報告書「ビジネス環境の現状」に記載される中国のランキングを上げるよう内部で圧力をかけたと指摘した。

IMF専務理事の関与指摘、世銀「ビジネス環境の現状」不正調査

  IMFは11日の理事会協議後の声明で、レビュー過程で提示された情報を検証した結果、「世銀CEOを務めていた時の専務理事が2018年の『ビジネス環境の現状』報告書を巡り不適切な役割を果たしたと決定的に示しているとは認められなかった」と説明。「理事会は専務理事のリーダーシップおよび責務を効果的に遂行し続ける能力に対し、全面的な信頼を再確認する」とした。

  IMFと世銀の最大出資国である米国は、ゲオルギエワ氏の世銀時代の疑惑は「深刻だ」と指摘し、辞任を求めるかどうか議論したとブルームバーグ・ニュースは先週報じていた。他の主要国もIMF内部調査の発表を待ち、同氏への支持表明を控えていた。

  米国は11日、今回の疑惑はゲオルギエワ氏解任を正当化するものではないとの判断を下し、同氏続投に道を開いた。

ゲオルギエワ専務理事の解任求めず−米国がIMF理事会に伝える

  ただ、米財務省によると、イエレン財務長官は11日に電話でゲオルギエワ氏に対し、ウィルマーヘールの報告書は「論じるに値する問題と懸念を提起した」と伝えた。

  財務省は発表資料で「米国はIMFでのデータの整合性と信頼性を強化するための前向きな措置が必要だと考えている」とした。

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