(ブルームバーグ): 中国経済は不動産市場の低迷やエネルギー危機、消費者心理の悪化、原材料費の高騰とあらゆる方面から打撃を受けている。国家統計局が18日に発表する7−9月(第3四半期)の国内総生産(GDP)統計は、こうした厳しい状況を如実に示すことになりそうだ。

  ブルームバーグのエコノミスト調査によれば、7−9月のGDPは前年同期比5%増と、4−6月(第2四半期)の7.9%増から大きく減速する見通し。9月の工業生産と投資が弱いことも示されそうだ。新型コロナウイルスの新規感染が抑えられたことで、小売売上高は若干持ち直す可能性がある。

  エコノミストらは中国の年間成長率見通しの下方修正に動いており、野村ホールディングスなどは7.7%成長にとどまると予想。世界2位の経済大国の失速は他国にも影響が及ぶ。

  ナットウエスト・マーケッツの劉培乾エコノミスト(中国担当、シンガポール在勤)は、前年同期の水準が低い「ベース効果が特に薄れつつあるため、7−9月の成長率については楽観視できない。その時期に当局は長期的な改革目標を優先し、短期の成長目標をあまり重視していなかった」と述べた。

  北京時間午前10時(日本時間同11時)に発表されるGDP統計の主な見通しは以下の通り。

不動産投資

  中国恒大集団の流動性危機が不動産業界全体に波及する中で、ブルームバーグのエコノミスト調査によると、不動産投資は1−9月の伸びが9.5%に鈍化すると見込まれている。1−8月の伸び率は10.9%だった。

電力危機

  中国では電力不足のため9月後半に工場が生産停止に追い込まれた。このため、国家統計局が発表した9月の製造業購買担当者指数(PMI)は活動拡大・縮小の節目となる50を割り込んだ。

中国製造業PMIが9月に活動縮小、昨年2月以来−電力不足響く

  ただ先月の輸出好調と電力消費の伸びにより、電力危機が工業生産に与える影響は一段と強弱交錯したものになる可能性がある。

  ブルームバーグのエコノミスト調査によれば、9月の工業生産は前年同月比3.9%増と、2020年4月と同水準の低い伸びにとどまりそうだ。電気や他のエネルギー商品を含むデータだ。

 消費活動

  中国は新型コロナの新たな流行を9月末までに抑え込んだものの、コロナを一切容認しないという中国の戦略は消費にはマイナスだ。

  地方政府は8月後半からコロナ規制を緩和し始め、これが9月の小売売上高に寄与した可能性がある。国家統計局による9月の非製造業PMIは前月から大きく持ち直し、サービス業の回復を示した。

  ブルームバーグが調査したエコノミストでは、9月の小売売上高は前年同月比3.5%増えたもようとされている。8月は2.5%増だった。

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