(ブルームバーグ): NTTは25日、2023年度までの中期経営計画を見直し、最終年度の1株当たり利益(EPS)目標を従来の約320円から370円に引き上げると発表した。NTTドコモグループの再編効果やデジタルトランスフォーメーション(DX)推進によるコスト削減の効果などを見込む。

  発表資料によると、法人事業の拡大や金融・決済などのスマートライフ事業、国際事業の強化を図るため、携帯電話子会社のドコモとNTTコミュニケーションズ、NTTコムウェアの経営を来年1月に統合。シナジー効果として23年度に1000億円、25年度に2000億円超の利益を生み出すことを目指す。

  最終年度のコスト削減目標については、従来の8000億円以上から1兆円以上に上積み。リモートワークの推進など新たな経営スタイルへの変革を進める。このほか、海外営業利益率の7%、投下資本利益率(ROIC)の8%については従来計画を据え置いた。これまで250億ドルとしていた海外売上高目標は今回設定しないとした。

  NTTは20年9月、完全子会社を目的にドコモ株式の公開買い付け(TOB)を発表。21年夏をめどにドコモによるNTTコミュニケーションズとNTTコムウェアの再編を行う計画だったが、澤田純社長らによる総務省幹部や国会議員との高額会食問題が浮上し、実施が遅れていた。

  スマートフォン事業ではソフトバンクや楽天グループなど競合他社との個人顧客獲得と値下げ競争が激しくなる中、収益源の多角化が課題となっていた。

  澤田社長は会見で、今月発生した大規模な音声通話・データ通信障害について「多くのお客様と社会全体にご迷惑をおかけした」と陳謝。ドコモの井伊基之社長は、今回の障害を「重大な事故」だと認識していると述べた。ただし、影響の規模については「つながらない痕跡を見つけるのは難しい」と述べ、精査中だとして明らかにしなかった。

NTTドコモ副社長、現時点で影響規模は不明−大規模通話・通信障害

(3段落の海外売上高目標についての記述を訂正します)

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