(ブルームバーグ): 2021年7−9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率で3.0%減と、2四半期ぶりにマイナスに転じた。マイナス幅は市場予想(0.7%減)より大きかった。新型コロナウイルス感染症が再拡大する中で個人消費が落ち込んだほか、部品不足など供給制約から輸出も鈍化した。

  山際大志郎経済再生担当相は会見で、米国(前期比年率2.0%増)や中国(前年同期比4.9%増)のプラス成長に対し日本がマイナス成長に落ち込んだ理由について、「一番の要因は新型コロナ感染者数が爆発的に増えたため」と指摘。足元で感染者数が落ち着く中、10−12月期のプラス成長に期待感を示した。

  19日に取りまとめられる経済対策については、コロナ対策も「大きなメニュー」と述べる一方、エネルギー高の影響を受ける農林水産や物流に配慮するとも語った。

  デルタ変異株が流行する中、全国のコロナ感染者数は8月に1日当たり2万5000人超を記録。緊急事態措置の下で外食や小売業界は時短営業、消費者も行動自粛を求められた。

エコノミストの見方

明治安田総合研究所の小玉祐一チーフエコノミスト:

7−9月は経済活動自粛の影響が大きかったただ、緊急事態宣言解除で10−12月には個人消費のペントアップ需要が徐々に出てきて、日本経済は再びプラス成長に戻る輸出に関しては中国経済が予想以上に減速、米国経済も財政の押し上げ効果が鈍ることも予想され、世界経済の回復ペースは鈍いものにならざるを得ないこれまではどちらかというと年前半は外需主導で回復が続いてきたが、10−12月以降は外需から内需にバトンタッチする形でプラス成長を続ける

SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミスト:

個人消費も設備投資も想定よりも大きく落ちており、大きなネガティブサプライズ。感染再拡大と供給制約がダブルパンチで効いているというのが大方の理解で、その出方は想定よりもきつかった景気ウオッチャーやPMIなどのソフトデータは持ち直しており、10−12月は明確にプラス成長に戻ってくる。感染抑制と行動規制の解除で消費活動が戻り、自動車も供給制約が徐々に軽くなっていく自動車の挽回生産は1−3月か4−6月に本格的になる。1−3月からは経済対策も効き始め、4−6月ぐらいまで高めの成長が期待できる

詳細(内閣府の説明)

民間最終消費支出の減少は2四半期ぶり、主に自動車、家電が影響民間企業の設備需要は主に自動車、建設関係、生産用機械が影響輸出の減少には自動車が影響、マイナスは5四半期ぶり政府最終支出の増加(1.1%増)にはワクチン支出が寄与新型コロナの影響について、自動車の東南アジアでの工場停止の背景には感染拡大があり、そういう意味で影響は出ている五輪効果を測るのは難しい

(山際再生相の発言とエコノミストコメントを追加して更新しました)

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