(ブルームバーグ): 新生銀行の槇原純社外取締役は9日、SBIホールディングスによる株式公開買い付け(TOB)への買収防衛策の発動が臨時株主総会で可決されたとしても、「TOB前の銀行の経営に戻ることはない」との考えを示した。

  槇原氏はインタビューで、25日に開催する臨時株主総会で防衛策の発動が可決されるかは「分からない」とした上で、今回のTOBで新生銀は「株価を上げる努力をもっと真剣にしないといけない責任を負った」と指摘。

  その上で、公的資金返済やバリュエーションの低さに焦点が当たったことで、改めて従来検討していた以外のスキームがないかを洗い出す必要があると強調。仮に防衛策が可決されて時間的余裕ができれば、SBIを含めた外部からの提案も踏まえ、株主価値向上に貢献すべく対応していくとの方針を示した。

  槇原氏は、新生銀がSBIによるTOBへの意見表明に向けて設置した独立社外取締役協議会のメンバーで、9月17日に発表した買収防衛策を議論した。同協議会はTOBへの反対を決めた。

  米議決権行使助言会社のグラスルイスとインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は、新生銀の防衛策発動に賛成を推奨した。槇原氏は防衛策が株主と経営側がオプションを模索する時間を確保する内容であり、TOBに反対を表明しながらも柔軟な姿勢を示したことが理解されたと評価した。

  新たなパートナー候補との交渉については、さまざまなネットワークの中で複数の話が入ってきているといい、現実的なものについては「株主へのメニューを多くする」意味で臨時総会前に提示したい意向を示した。

  新生銀は、TOBへの反対表明後にSBIに協議を申し入れたが、これまでTOBの条件に関わる協議には応じてもらえていないという。

  預金保険機構は5日、新生銀の買収防衛策への対応を決めるため、SBIと新生銀の両社に質問書を送付し、12日までに適時開示で回答するよう求めた。預金保険機構と子会社の整理回収機構は、合わせて新生銀の株式の20%超を保有している。

  JPモルガン証券の西原里江アナリストは9日付のリポートで、預金保険機構が質問書を発表したことで、国は「棄権」ではなく、「賛成」か「反対」を判断する意思を明らかにしたと言えると指摘。買収防衛策の可否は国の判断が大きな鍵を握る情勢になっていると述べた。 

(預金保険機構の対応とアナリストのコメントを追加し更新します)

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