(ブルームバーグ): 米労働省が10日発表した10月の消費者物価指数(CPI)は前年比で1990年以来の大幅上昇となった。だがCPIは今後も高い伸びが見込まれて、ピークに達するのはまだ先となる公算が大きく、米国の家計や金融・財政当局にとって物価情勢の悪化が頭痛の種となりそうだ。

  10月の物価高は新型コロナウイルス禍の影響が最も大きかったセクター以外にも広く波及しており、住宅市場の活況や世界的なエネルギー不足など主な要因が近いうちに収束する兆しもほとんどない。このためエコノミストは先行きのさらなる加速を予想している。

  ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、サラ・ハウス氏は「物価動向はさらなる悪化が見込まれて、改善はその先だろう」と述べ、来年春前の情勢改善はあまり期待できないとの考えを示した。

  インフレが落ち着き始める時期についてのこうした見通しは、米金融当局者やバイデン大統領にとってかなり先のことと受け止められる可能性があり、コロナ禍対策の景気支援を抑制するよう求める動きが活発となる中で、政策の路線変更の圧力が高まると見込まれる。

  米金融当局は今月から資産購入のテーパリング(段階的縮小)に着手するとともに、利上げについても2023年まで待つのではなく、来年中の引き上げ開始に傾斜しているが、最新のCPI統計を受けてそのタイミングが前倒しされる可能性もある。

  INGファイナンシャル・マーケッツのチーフ国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトリー氏は金融当局について、「転換点」に達しているのかもしれないと指摘。「経済成長率とインフレ率が6%程度の水準で、いずれも失速の兆候がない状況にあって、刺激策を継続することが本当に正当化できるのだろうか」と疑問を投げ掛ける。  ナイトリー氏はその上で、金融当局のテーパリングはコンセンサス予想よりも3カ月ほど早い22年1−3月(第1四半期)に終了すると予想するとともに、来年末までに0.25%ずつの2回の利上げが見込まれ、それが3回となる確率が高まっていると話した。 

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