(ブルームバーグ): 中国国有の不動産開発企業が相次いで人民元建て債の発行を計画しており、投資家需要が試されようとしている。

  招商局蛇口工業区控股と保利置業集団、光明房地産集団の3社は、銀行間市場で今週計画する計86億元(約1540億円)の本土債発行に関して承認を受けた。

  今回の元建て債に対する需要が前向きとなれば、他の不動産企業も追随し、同セクターを巡る歴史的な資金繰り難が和らぐ可能性がある。中国当局は不動産業界の元建て債発行規制を緩和する公算が大きく、銀行は同債券への投資を通じた「輸血」が可能になると、国営メディアは先週報じた。一部の不動産企業は住宅市場の減速や厳格な借り入れルール、高止まりするドル建て債利回りを受けて、債務の借り換えに苦慮している。

中国の不動産業界規制、有力証券3紙が緩和観測高める−銀行融資増

  南京証券の債券アナリスト、楊浩氏は「一度にこれほど規模が大きい発行は実に異例だ」と指摘。「政策当局が市場の信頼感を高めたいという状況緩和のシグナルを発している。発行体である開発会社の質が高めであることを踏まえると、クーポンレートは銀行の支援で低くなるだろう」と話す。

  また、長城証券の呉金鐸アナリストは「国有開発企業による今回の発行計画は、こうした会社も借り換え圧力に直面していることを示している」と分析する。

  政策緩和を巡る当初の兆しでドル建て債価格が上昇しているが、リスクは高止まりしている。本土の銀行間市場はオフショア市場に比べて割安な資金調達源ではあるが、発行体は本土で調達した資金をオフショア債務の返済に回すことは通常できない。

  アナリストらは元建て債の発行に関する規制が緩和されても、借り換え手段を使えるのは質が高めの開発業者だけだと警鐘を鳴らしている。

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