(ブルームバーグ): 中国経済は来年、1990年以来の低成長に向けて減速しそうだ。習近平国家主席は不動産セクターへの依存を小さくしようとしており、こうした政策に伴う代償を支払う用意があるように見受けられる。

  中国政府の不動産業界締め付けは来年以降も続きそうで、多くの金融機関が想定していなかった展開だ。ゴールドマン・サックス・グループや野村ホールディングス、バークレイズなどは2022年の中国成長率見通しを5%未満に引き下げた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に見舞われた昨年を除けば、ここ30年余りで最低の成長率となりそうだ。

  これは、パンデミック前の7%近い成長率からは大きな減速となる。中国が世界第2位の経済大国であることを踏まえれば、オーストラリアやインドネシアなどが産出する商品の需要軟化や、米アップルやドイツのフォルクスワーゲン(VW)といった外国企業にとって極めて重要な中国消費者による支出が鈍化することを意味する。

  北京のコンサルティング会社プレナムの陳竜エコノミストは「不動産セクターが大き過ぎると考えている習氏は自ら不動産政策に関与している。そのため各省庁は習氏の承認なしにあえて政策を緩和することはない」と指摘する。

  野村のチーフエコノミスト、ロブ・スバラマン氏は、中国国内総生産(GDP)成長率が今年の7.1%から来年は4.3%に低下すると想定。これが「世界のGDP伸び率を直接的に0.5ポイント引き下げる可能性がある」とみている。中国政府は「長期的な安定性を高めるために短期的な成長の一部を犠牲にする」つもりだと分析している。

  個人消費の弱さも景気の足かせとなっているほか、新型コロナを一切容認しない「ゼロコロナ」政策と厳しいロックダウン(都市封鎖)措置は消費者と企業にとって重しだ。

  UBSグループの中国担当チーフエコノミスト、汪涛氏は「中国のゼロコロナ政策が一段と長期化するか、不動産部門の落ち込みがより深刻になれば、22年のGDP成長率が4%に低下することもあり得る」との見方をリポートで示している。

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