(ブルームバーグ):

米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、中国共産党の凋落(ちょうらく)を語ったと受け取られかねないジョークを口に出した直後、「中国でそれは言えない」と述べた。中国当局が自分の冗談を気に入らないと即座に認識した様子がうかがえる。

  さまざまな意味でそこが核心部分だった。ダイモンCEOは、23日のボストンの公開討論会での発言の中で、中国の隆盛の持続可能性を疑問視し、言論の自由に伴う困難に言及した。

  ダイモン氏は「中国でビジネスを行っているという理由で、何をここで言ってよいか彼らが指示し始めるとすれば、それは問題だ」と語った。

  しかし、問題のジョークを発してから24時間もたたずに同氏は後悔の念を表明する声明を出した。世界第2の経済大国でビジネスを行いたい外国人に発言を適切に管理させる中国当局の力が誇示された格好だ。

  スウェーデンのカジュアル衣料チェーン、ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)は、新疆ウイグル自治区での強制労働を問題視し、新疆産綿花を調達しない方針を示唆したが、共産党の青年組織、共産主義青年団(共青団)がこれを批判し、中国国内で不買運動が拡大した。

  だが今回のダイモン氏のケースでは、国が後ろ盾となっている組織・団体に同氏を批判させる必要すらなかった。

  中国外務省の趙立堅報道官は北京での25日の会見で、ダイモン氏の「誠実な反省」を承知しているとした上で、「これが適切な態度だとわれわれは考える」とコメントした。

 

 

 

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