(ブルームバーグ): 30日の米株式相場は大幅反落。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は、債券購入のテーパリング(段階的縮小)早期終了を検討するのは適切と述べた。市場では利上げペースが速まるとの観測が強まった。

パウエル氏、「数カ月早い」テーパリング終了検討も−高インフレで 

  米国債市場では利回り曲線が一気にフラット化し、30年債と5年債の利回り差は急速に縮小した。パウエル議長は上院銀行住宅都市委員会での公聴会で、インフレを表現するのに「一過性」という言葉を使うのはやめるときがきたとも指摘した。S&P500種株価指数は月間ベースの上げを消し、CBOEボラティリティー指数(VIX)は月間で2020年2月以来最大の上昇となった。

  S&P500種は前日比1.9%安の4567.00。ダウ工業株30種平均は652.22ドル(1.9%)下げて34483.72ドル。ナスダック総合指数は1.6%下落。ニューヨーク時間午後4時18分現在、10年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.44%。

  LPLファイナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「インフレ収束には望まれているよりも時間がかかるとようやく認めることで、パウエル氏はまさに火に油を注いだ」と指摘。「テーパリング加速はその結果として恐らく起こるだろう。パンチボウルは片付けられるとの不安が市場に広がった」と述べた。

  短期金融市場では2022年末までに0.55ポイントの利上げがあるとの見方が織り込まれている。29日時点では約0.5ポイントが織り込まれていた。初回利上げは7月との見方で変わっていない。

  外国為替市場では、逃避先通貨が上昇。ドルはパウエル議長のタカ派的な発言を受けて一時上昇していたが、上げを消した。ノルウェー・クローネやカナダ・ドルは下落。原油安が重しとなった。

  ニューヨーク時間午後4時19分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.4%低下。ドルは対円で0.4%安の1ドル=113円05銭。ユーロは対ドルで0.4%高の1ユーロ=1.1340ドル。

  ニューヨーク原油先物相場は急反落。パウエル議長発言が原油相場にも響き、一時は昨年8月下旬以降で初めて1バレル=65ドルを割り込んだ。

  市場はまた、オミクロン変異株のワクチン耐性の恐れにも神経をとがらせている。石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」が今週開く会合では、同変異株が生産政策の決定に影響を与える可能性がある。

  アゲイン・キャピタルの創業パートナー、ジョン・キルダフ氏はオミクロン株について、「経済活動を低下させるものであり、需要見通しのまさに中心を貫くものだ」と語った。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物1月限は、前日比3.77ドル(5.4%)安の1バレル=66.18ドル。ロンドンICEの北海ブレント1月限は2.87ドル安の70.57ドル。1月限はこの日が最終取引。

  ニューヨーク金相場は続落。スポット相場は朝方には上昇していたが、パウエル議長発言が伝わると急速に下げに転じ、一時は0.8%安となる場面もあった。

  投資家は不透明感の強い成長見通しを何とか見極めようとしている。オミクロン変異株により新たな行動制限が講じられれば金融刺激策の解除プランが狂い、消費者物価高騰をあおった不均衡が強まりかねないとエコノミストらは警告する。

オミクロン株出現、世界の中銀にインフレ巡る新たな頭痛の種に

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は、前日比0.5%安の1オンス=1776.50ドルで終了。

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