(ブルームバーグ): 米アップルは世界的な供給不足に悩まされてきたが、今は需要の鈍化という別の問題に直面している。

  同社は部品サプライヤーに対し、「iPhone(アイフォーン)13」の需要が鈍化していると伝えた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにしたもので、一部の消費者が入手困難となっている最新機種の購入を諦めていることを示唆している。

  アップルは既に今年のアイフォーン13の生産台数目標について、部品不足を理由に当初の9000万台から最大1000万台引き下げたと、ブルームバーグ・ニュースは先に報じていた。その分については、供給量を来年増やすことで埋め合わせられると期待していた。しかし複数の関係者によれば、アップルは現在、そうした注文は実現しない可能性があるとサプライヤーに伝えている。協議が公になっていないことを理由に匿名で語った。

  アナリストはアップルの10−12月期の売上高を6%増の1179億ドル(約13兆3100億円)と予想。依然として記録的なホリデーシーズンとなる方向にあるが、同社とウォール街が当初期待していたようなものにはならないようだ。品不足や配送の遅れが多くの消費者をいら立たせたきたが、これにインフレ高進と新型コロナウイルスのオミクロン変異株出現といった問題が加わり、消費者が予定していた購入の一部を見合わせる可能性がある。

  これは消費者がアイフォーン13の購入を断念し、後継機種が来年発売されるまで待つ可能性を意味する

  価格はアイフォーン13が799ドル、よりサイズの大きいアイフォーン13プロが999ドルからとなっている。アイフォーン12からのアップデートが比較的小幅だったため、一部の消費者にとっては、より大きな変更が見込まれる2022年モデルまで待つ理由がある。

  アップルはコメントを控えている。

  ブルームバーグの報道を受け、2日のアジア株式市場でアップルのサプライヤーの株価は軒並み値下がりした。韓国のLGイノテックは一時13%下落。香港上場の瑞声科技(AACテクノロジーズ)は一時4.8%安、日本のTDKも4.8%安となった。

  アイフォーンはアップルの主力製品で、昨年度の売上高3658億ドルの約半分を占めた。アップルと携帯電話サービス業者が積極的な販売促進を展開したため、アイフォーン12やより古い機種のユーザーは、実質的にほぼ無料でアイフォーン13に買い換えられるケースもあった。割引プログラムは引き続き提供されているが、発売当初ほど大きくない。

  アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、7−9月期決算に関する10月の電話会見で、アイフォーンや「iPad(アイパッド)」などの新機種に対する関心で新製品の需要は「非常に強い」と述べ、10−12月期は記録的な四半期になるとの見通しを示していた。昨年10−12月期の売上高は1114億ドルだった。

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