(ブルームバーグ):

インフレを抑制する米連邦準備制度の能力に対する債券トレーダーの信頼が試される過去40年で最大の正念場が近づきつつある。

  パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が先週の議会証言で、インフレの「持続性の高まり」に言及し、もはや一時的と表現すべきでないとの認識を示したことを受け、最近数日は連邦準備制度当局者から消費者物価の上昇抑制を巡る発言が相次いだ。

  パウエル議長は、インフレの高止まりが資産購入の予定より早い終了を検討する下地になるとの見解を明らかにし、市場は長短の米国債利回り格差縮小という形で反応した。金融政策引き締めが成長ペースを落ち着かせ、物価が抑制されるとの観測が背景にある。

  連邦準備制度がタカ派姿勢に転じたと受け止められる中で、10日に発表される11月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.7%上昇と、1990年以来約31年ぶりとなった10月の上昇率(6.2%)をさらに上回るとアナリストは予想する。

  実際そうなれば、インフレ悪循環に連邦準備制度が積極的に闘いを挑んだ1980年代初め以降で最もハイペースな物価上昇となり、そのような高インフレがいつまで続くか投資家の見通しが厳しく試されることになる。

  グレンミード・インベストメント・マネジメントのジェーソン・プライド最高投資責任者(CIO)は、サプライチェーン問題が徐々に解消され、賃金上昇ペースも鈍化すると予測し、「インフレ圧力が来年時間とともに和らぐというのが当社の見方だ」と説明。ただ「短期的にはより過熱したインフレの数字が連邦準備制度の動きを加速させる圧力として働く」ことで、最近急騰した短期国債利回りがさらに上昇すると見込む。

  より長期的に見れば、インフレのピークが近いとの観測に債券市場は自信を得ている。

  ブラックロックの米州ファンダメンタル債券責任者ボブ・ミラー氏は、米国の10年国債とインフレ連動債(TIPS)の利回り格差を示し、今後10年のインフレ期待を反映するブレークイーブンインフレ率(BEI)について、現在の2.45%前後から2.25%に向け低下すると予想する。

  ミラー氏は「われわれはCPIが来年1−3月(第1四半期)末までにピークに達すると考えており、長期のBEIは、より高いインフレ率がそれより長く続くという見通しを反映していた」と指摘した。

 

 

Bond Market’s Faith in Fed Set For Biggest Test Since the 1980s(抜粋)

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