(ブルームバーグ):

日本銀行は17日の金融政策決定会合で、来年3月末が期限となる新型コロナウイルス感染症対応の資金繰り支援策のうち、中小企業向けについて半年間の延長を決めた。大企業向けが中心のコマーシャルペーパー(CP)と社債買い入れの上限20兆円の増額措置は期限通り終了する。現行の長短金利操作付き量的・質的金融緩和は維持した。

CP・社債の買い入れ4月以降は買い入れ残高を感染拡大前の水準(CP2兆円、社債3兆円)へ徐々に引き下げ新型コロナ対応金融支援特別オペ中小企業向けのプロパー融資分は現行のまま半年延長中小企業向け制度融資分は付利を0%に引き下げて半年延長マクロ加算残高への算入は利用残高相当額とした上で、バックファイナンス措置として期限を半年延長大企業向けや住宅ローンを中心とする民間債務担保分は期限通り終了コロナ対応オペの見直し、全員一致で決定

  資金繰り支援策の一部を延長した理由について、日銀では中小企業の資金繰りは総じて改善傾向にあるが、対面型サービス業など一部に厳しさが残っていると指摘した。日本の金融環境は全体的に改善しているとし、大企業に関してはCP・社債の発行環境が良好なほか、貸出市場も落ち着きが見られるとしている。

  景気は基調としては持ち直しているとの判断を維持した。個人消費の判断を上方修正し、「徐々に持ち直している」とした。先行きのリスク要因として、感染症の動向や内外経済に与える影響に注意が必要と指摘した。供給制約の影響が拡大・長期化するリスクにも留意が必要とした。

  金融政策運営は、引き続き感染症の影響を注視し「必要があれば、躊躇(ちゅうちょ)なく追加的な金融緩和措置を講じる」と改めて表明した。

  IHSマークイットの田口はるみ主席エコノミストは、資金繰り支援に関する今回の日銀の決定について妥当との見方を示し、日本の消費者物価の動きが鈍い中では「他の中央銀行のように、利上げに動くようなフレームワークに変えていくことはまだ考えられない」と語った。

  資金繰り支援策は、CP・社債買い入れの拡充措置と融資を行った金融機関に低利でバックファイナンスするコロナ対応オペが柱。ブルームバーグがエコノミスト46人に3−8日に実施した調査では、支援策は規模や内容を縮小した上で延長されるとの見方が6割を占めた。オミクロン株の影響を見極めるため、来年1月の会合で判断する可能性も指摘されていた。

  オミクロン株への警戒が広がる中でも内外経済は持ち直しを続けており、原材料価格が高騰するなど世界的なインフレ懸念が継続している。日銀の12月短観では多くの企業がコスト上昇による収益圧迫を先行きリスクとして指摘した。米連邦公開市場委員会(FOMC)が15日の会合で資産購入プログラムの縮小ペースの加速を決めるなど、米欧の中央銀行はコロナ対応で強化した金融緩和策の縮小に乗り出している。

(エコノミストコメントを追加して更新しました)

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