(ブルームバーグ): トルコ・リラ安に歯止めをかけるには何が必要かと投資家が2022年を控え問い掛けている。

  新興国通貨の中で今年最悪のパフォーマンスとなっているリラは、トルコ中央銀行が16日に利下げを停止すると表明しても下げ止まらず、17日にはトルコ株式相場が突然の急落に見舞われた。

トルコ中銀が連続利下げ、緩和終了−大統領は最低賃金5割引上げ トルコ金融市場、取引全般でサーキットブレーカー発動−株式急落 

  トルコ金融市場で今年の苦難が始まったのは3月のアーバル中銀総裁更迭だ。エルドアン大統領は市場重視のアーバル氏に代えて、後任総裁に利下げ支持派を起用。インフレ加速を抑え、雇用を創出する戦略の中心として、大統領は異例の低金利政策を主張した。

トルコ大統領、中銀のアーバル総裁を解任−2年足らずで3人目エルドアン大統領、トルコの金利は低下継続へ−経済繁栄に向け

  RAMキャピタルの運用担当者オゲダイ・トプチュラー氏は「トルコが勝ち組に戻るには、経済、政治両方のメンタリティーを変える必要がある。金融政策のひねりは短期的に流れを変えることができるかもしれないが、投資家が納得するには不十分ではなかろうか」と分析した。

  ゴールドマン・サックス・グループなどのストラテジストは、過去のリラ危機と同じようにトルコ中銀が政策転換を迫られるかどうかを注視しており、利下げに伴う市場のトラウマがより広範な経済に波及する過程で、来年前半のかなり大幅な利上げの可能性が高まりつつあると考えている。

  ただ、エルドアン大統領が金利に関するスタンスを撤回する兆しはほとんど見られない。高い借り入れコストが消費者に転嫁され、インフレをあおるとの考えからだ。

  フィデリティ・インターナショナルのマネーマネジャー、ポール・グリア氏(ロンドン在勤)は「今の政権は雇用創出と経済成長が動機付けとなっているようだが、為替相場とインフレの安定にはあまり関心がない。このマクロ優先順位の組み合わせは、オフショア債投資家が現時点で期待しているものと相反する」と指摘した。

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