(ブルームバーグ): 料理宅配サービス「フードパンダ」を手がけるドイツのデリバリーヒーローは、日本から撤退すると22日に発表した。新型コロナウイルス感染症の流行に伴う巣ごもり需要の増加で事業者が乱立したフードデリバリー業界だが、勝ち組と負け組の差が明確になりつつあり、淘汰(とうた)が始まっている。

  発表資料によると、2022年第1四半期(1−3月期)をめどに事業を売却する計画という。売却金額や譲渡先は開示していない。デリバリーヒーローは同日、ドイツでも同事業のサービスを縮小すると発表。ニクラス・エストベリ最高経営責任者(CEO)は、両国の市場への参入当初と現在では事業環境が大きく異なり、「より可能性の高い分野で、成長機会を追求しなくてはいけない」と語った。

  デリバリーヒーローは今後、他の市場や「クイックコマース」と呼ばれる食品・日用品などの即時配達サービスなど新たな分野に資源を投入するという。

  フードパンダは20年9月に日本市場に参入。飲食店のデリバリー以外にも、食品や日用品にも対応し、四国や九州など地方も含む20以上の都市でサービスを展開してきた。今年4月には韓国発の同業「フードネコ」の買収を発表し規模拡大を目指したものの、上陸から約1年半での撤退となった。

  日本におけるフードデリバリー市場は拡大の一途をたどっている。ICT総研の調査によると、18年に3631億円だった市場規模が、19年には4172億円へと拡大。さらに、新型コロナ感染拡大による巣ごもり消費を追い風に国内外の大手が次々と参入し、23年には6821億円に成長すると予測されている。

  データ分析のヴァリューズによると、11月のフードパンダのアプリ利用者数は64万人で、出前館(504万人)やウーバーイーツ(498万人)との差が開いていた。

  ブームを背景に世界的に乱立したフードデリバリー業界では統合も進む。米ドアダッシュは11月、フィンランド発のウォルトの買収を発表した。競合の米ウーバー・テクノロジーズは食品宅配サービスの米ポストメイツや酒類宅配サービスを手掛けるドリズリーを買収し、食品配達事業を強化したほか、配達サービスのスタートアップ企業、ゴーパフとの提携も発表した。

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