(ブルームバーグ): 2021年は米国株投資家にとってスーパー級の出来事が次から次に起こり、盛りだくさんな1年となった。

  最高値更新の回数は26年ぶりの多さだった。一部の小型株は個人投資家の熱狂を背景に3桁の上昇率を記録した。中国政府による一部の大企業締め付けで米上場の中国株の時価総額は大きく減少した。

  新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の後退、新たな変異株の出現、サプライチェーン混乱、断続的な米景気回復を経験した今年、S&P500種株価指数は26%上昇して時価総額は8兆6000億ドル(約983兆円)創出される方向だ。

  S&P500種の着実な上昇などが、最高値更新の回数を68回と、1995年に次ぐ過去2番目の水準に押し上げた。同指数は21年の営業日全体の30%近くで、終値ベースで過去最高値を更新した形だ。

  今年の株式市場で他に際立った動きの一部を見てみよう。

ミーム株熱狂

  パンデミックを背景に自宅にこもらざるを得なくなった、手元資金が豊富な個人投資家は今年初め、猛烈な勢いでミーム株に投資した。象徴的だったのがゲームストップやAMCエンターテインメント・ホールディングスだ。投資家はソーシャルメディアになだれ込み、苦境にある企業の買いを呼び掛けた。AMCの株価は今年1200%強、ゲームストップは約700%上昇した。

  一方、当初の上昇を維持できない銘柄も多かった。投資家の熱狂が萎(しぼ)んだコンテキストロジックやクローバー・ヘルス・インベストメンツ、ワークホース・グループの株価はいずれも年初来で70%余り下げた。

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アルケゴス破綻に絡んだ売り

  ミーム株の熱狂的な動きも、ビル・フアン氏のアルケゴス・キャピタル・マネジメント破綻に続く混乱と比べると見劣りする。

  フアン氏のポジションの強制的な清算はバイアコムCBS、ディスカバリー、唯品会(ビップショップ・ホールディングス)、テンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループ(騰訊音楽娯楽集団)などに打撃となり、株価は1週間で30%余り下げた。

IPO件数が過去最多

  特別買収目的会社(SPAC)の相次ぐ上場で米取引所での新規株式公開(IPO)件数は過去最高に達した。1110社近くが今年、上場を果たし、約3370億ドルを集めた。

  ブルームバーグ集計データによると、今年最大の案件は11月に137億ドルを調達した電気自動車(EV)メーカーの米リビアン・オートモーティブで、全ての取引所で見て過去12番目の規模となった。今年2位は、3月に46億ドル規模のIPOを実施した韓国の大手電子商取引会社クーパン。

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  中国の配車サービス大手、滴滴グローバルのIPOは44億ドル規模と今年3位に入ったが、その後、過去最も惨めな案件の1つとなった。中国政府の継続的な規制上の圧力を受け、株価は60%下落。今月には米上場廃止の方針を示した。

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中国の締め付け

  滴滴株の売りは、中国当局が国内企業に幅広い締め付けを実施する中で米上場の中国株が21年に見舞われた株安の縮図だ。米上場の大手中国企業で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数は年初来で44%下落し、時価総額が1兆ドル余り消失した。

  好未来教育集団(TALエデュケーション・グループ)や新東方教育科技集団(ニュー・オリエンタル・エデュケーション・アンド・テクノロジー・グループ)など教育関連株が最大の打撃を受け、両銘柄とも今年85%超の下げとなった。

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