(ブルームバーグ): 世界最大級のヘッジファンドにとって、今年はプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資で稼いだ、あるいは助かった年となった。これらのヘッジファンドは来年も同じ展開が繰り返されると見込んでいる。

  今年の新規株式公開(IPO)件数は過去最多で、大規模なPE投資を展開していたファンドが恩恵を受けた。未公開株は比較的安く取得することが可能なため、投資家の人気は高い。

  ヘッジファンド運営会社サード・ポイントのダン・ローブ氏は、1−3月(第1四半期)に記した顧客宛ての書簡で、「早期に出資することで、素晴らしい企業の大きな割合を保有できる。最終的な上場後のバリュエーションと比べれば、参入時の価格はわずかでしかない」と指摘していた。

  ローブ氏のオフショアファンドは11月末までのリターンが25.7%に達した。パフォーマンス上位3社のアップスタート・ホールディングスとセンチネルワン、リビアン・オートモーティブはいずれも上場前からサード・ポイントが出資し、過去13カ月の間に上場を果たした企業だ。

  ダン・サンドハイム氏率いるD1キャピタルは、資産の最大35%を未公開株に投資できるファンドで11月末までに17%のリターンを上げた。未公開株に投資していなければ厳しい成績だった。

  S&P500種株価指数が年初から29日までに28%上げるなど、公開市場が今年は好調だったことを考えれば、PE投資が多くの運用者にとってこれほどの違いを生んだことは意外かもしれない。銘柄選択を誤ったり、激しいショートスクイーズ(踏み上げ)に遭ったりした運用者にとって、公開市場の株価上昇はほとんど助けにならなかった。

  ゲイブ・プロトキン氏のメルビン・キャピタル・マネジメントをはじめ、複数のヘッジファンドが1月後半に急騰したAMCエンターテインメント・ホールディングスやゲームストップの踏み上げで打撃を受けた。メルビンは1月の大底から運用成績は28.5%上げたが、年間のリターンは依然としてマイナス約42%となっている。

  チェース・コールマン氏のタイガー・グローバル・マネジメントと、フィリップ・ラフォント氏のコーチュー・マネジメントは中国当局の締め付けで打撃を受けたテクノロジー株や消費者関連株で損失を被った。

備考:リターンは注記がない限り年初から11月末まで。*のあるファンドは12月17日まで、**は12月23日まで、***は12月27日までのリターン

 

 

 

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