(ブルームバーグ): 中国が2022年末まで新型コロナウイルス対策として入国規制を続ける可能性があると、ゴールドマン・サックス・グループはみている。北京冬季五輪や5年に1度の共産党大会など一連の政治イベントを控えているためだ。

   同社のアンドルー・ティルトン氏らアナリストは4日のリポートで、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が開発したワクチンはオミクロン変異株に対して限定的な効果しかないとの報道が中国にコロナを一切容認しない「ゼロコロナ政策」を堅持させるよう強いる公算が大きいと指摘した。

シノバック追加接種、オミクロン株に十分な抗体得られず−香港 

  ゴールドマンによれば、北京で来月開催される冬季五輪や3月の全国人民代表大会(全人代)、10−12月(第4四半期)に開かれる第20回共産党大会に影響し得る大きな混乱を避けるため、入国者に課している隔離要件が維持される可能性がある。

  金融政策を巡っては、1−3月(第1四半期)に市中銀行の預金準備率が再び引き下げられるとゴールドマンは予想。与信・財政措置が緩和されるものの、不動産市場の下振れを完全に吸収するには至らないとの見通しも示した。また、中国は「意味のある」経常黒字を維持しており、人民元が年末までに1ドル=6.2元に上昇し得るとも予測した。

習主席の執着

  地政学的リスクについて助言するコンサルティング会社ユーラシア・グループは、22年に予想される政治的リスクのトップとして、中国が固執するゼロコロナ政策を挙げた。この政策では感染力の強い新たな変異株を抑え込むことは難しく、感染拡大で同国が一層厳しいロックダウン(都市封鎖)を余儀なくされる可能性を指摘した。

     同社はリポートで、中国のゼロコロナ政策は20年には非常に大きな成功を収めたが、今は「はるかに感染力の強い変異株に対し、より広範囲のロックダウンと効果の限られるワクチンといった手段で闘う」状況にあると説明。「オミクロン株に対する人々の抗体は実質的にゼロだ。ロックダウンを2年続けたことで、再開するリスクが一層大きくなった」と分析した。コロナ対策の当初の成功とそれへの習近平国家主席の執着が「方向転換を不可能にしている」という。

   ユーラシア・グループのイアン・ブレマー社長はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「極めて容易に感染し得るが命を脅かすことがそれほどないウイルスと共生する力は、中国のゼロコロナ政策とは正反対に位置している。ゼロコロナ政策はこうしたウイルスに対して機能しないだろうが、中国はそれを堅持するだろう」と述べ、「これは主としてウイルスが招いている課題ではなく、中国政府が自国のやり方から抜け出せないという問題だ」と論じた。

(5段落目以降にユーラシア・グループの見方を追加して更新します)

©2022 Bloomberg L.P.