(ブルームバーグ): 北朝鮮は5日午前8時7分ごろ、弾道ミサイルの可能性があるものを発射した。岸信夫防衛相が発表した。弾道ミサイルなら2021年10月19日以来。

  岸防衛相によれば、北朝鮮の内陸部から東方向に発射され、通常の弾道軌道だとすれば約500キロ飛行し、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下した。飛行経路は最近試射された短距離弾道ミサイルと一致している。

  岸田文雄首相は「昨年来、北朝鮮が連続してミサイルを発射しているということは誠に遺憾」とし、「政府としてはこれまで以上に警戒監視を強めていきたい」と話した。

  韓国合同参謀本部によると、発射されたのは1発。前回の発射は新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)だった。

  この日のミサイルは慈江道から発射されたと韓国軍は説明。北朝鮮は昨年9月に初めて極超音速滑空体(HGV)を発射したと主張したが、その実施地点に近いという。韓国側は北朝鮮がまだHGV開発の「初期段階」にあるとみている。

  北朝鮮はミサイル発射を政治的イベントのタイミングに合わせることが多い。韓国の文在寅大統領は任期満了を数カ月後に控え、南北間の歩み寄りをあらためて呼び掛けており、これに反発した可能性もある。文大統領は5日、南北を結ぶと期待される鉄道建設の着工式典に参加したが、ミサイル発射はその数時間前だった。 

  朝鮮労働党中央委員会第8期第4回総会は21年12月27日開幕し、最高指導者の金正恩総書記も出席した。朝鮮半島の不安定な環境を理由に軍事力増強を求めたという。朝鮮中央通信(KCNA)が伝えた。金総書記はトランプ前政権時代に再開するも頓挫した米朝協議以降、非核化協議に戻る姿勢をほとんど見せていない。

  21年1月の党大会で金氏は、核兵器の小型・軽量化と大型核弾頭の製造推進、1万5000キロ射程内の戦略的目標に命中させ破壊する能力の向上を目指す方針を表明。固体燃料を用いる大陸間弾道ミサイル(ICBM)と原子力潜水艦の開発、衛星による情報収集能力強化にも言及した。

 

(5、6段目に韓国軍の説明を追加して更新します)

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