(ブルームバーグ): 男子テニス世界ランキング1位のセルビアのノバク・ジョコビッチ選手がオーストラリアへの入国を拒否された問題で、同選手の家族は豪当局が同選手による10度目の全豪オープン優勝を阻止しようとしていると主張した。母国のブチッチ大統領も新型コロナウイルス関連の手順を巡る「政治的キャンペーン」だと豪当局を非難した。

  ジョコビッチ選手は、ビクトリア州当局に医学的理由で新型コロナワクチン接種の免除を認められていたが、連邦政府がこの決定を覆し、全豪オープン出場のためオーストラリアに到着した際に入国を拒否された。強制送還まで、難民収容に使用されていたホテルに滞在させる当局に決定に対し、同選手の弁護士は異議を申し立てた。

  オーストラリア国境警備隊(ABF)は6日、現在のコロナ対策の規則に基づき、ジョコビッチ選手が提示した入国のための証明は不十分と判断したと説明。メルボルン空港で選手本人に数時間にわたり質問した後、連邦政府が州政府の決定を覆した。

  モリソン豪首相は首都キャンベラで記者団に対し、「特例はない。ルールはルールだ」と述べ、「2度のワクチン接種を受けておらず、オーストラリア国民もしくは在住者でない場合、入国はできない」と説明した。

  AP通信が6日報じたところによれば、裁判所はビザ(査証)取り消しに対するジョコビッチ選手の異議申し立てについて、10日朝まで審理を一時中断すると決定。その間、同選手はホテルにとどまることになる。

  ジョコビッチ選手はこれまで全豪オープンで9回優勝している。今回は全豪4連覇と、四大大会で歴代単独最多となる21勝目が懸かっている。

  ジョコビッチ選手は以前、ワクチン接種が義務化されることを批判していた。同選手を含む全豪オープン出場選手の一部にワクチン接種の免除が認められたことに対し、豪国内で強い反発が起きていた。

  豪AAP通信によると、同選手は亡命希望者の収容に使用されていたパークホテルに滞在している。このホテルでは2週間前に火災が発生した。

 

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