(ブルームバーグ): 新年入り後の市場の激しい値動きは、株式と債券の強気相場が長期にわたって同時に続いていたことで人気を博していたクオンツ取引戦略に基づく上場投資信託(ETF)に大きな損失をもたらしている。

株式、債券がそろって厳しい滑り出し−「60/40」投資モデルに疑問も

  各資産のリスクの割合が均等になるように分散して投資する「リスクパリティー」と呼ばれる戦略は今週、米金融当局のタカ派的な姿勢を手掛かりに米国株・債券が足並みをそろえて下げたことで痛手を受けた。ブリッジウォーター・アソシエーツのレイ・ダリオ氏が広めたこの戦略は、リスクに基づきさまざまな資産クラスに投資するが、各市場がそろって下げる局面では苦戦する傾向がある。

  この種のファンドでは最大規模である運用資産16億ドル(約1850億円)の「RPARリスクパリティーETF」(ティッカー:RPAR)は6日までの5営業日に3.2%下落した。5日間としては2020年以来最悪のパフォーマンスだ。

  足元のボラティリティーは、今週投入された新しいRPAR姉妹ファンドにも悪いタイミングだ。レバレッジを高めてリターンを膨らませることを目指すRPARウルトラ・リスクパリティーETF(UPAR)は取引開始からの3営業日全てで下落。5日には約1.5%安と、RPARがこの1年で最悪級のパフォーマンスとなった時の下落率と一致した。

  2021年は各国・地域の金融当局のハト派的な姿勢が債券利回り上昇を抑える中、経済再開への期待で株式・商品が値上がりし、リスクパリティーの指数は記録更新が続いた。しかし今は金融政策の見通しが「全て上昇」するような相場を阻む方向にシフトしつつある。新型コロナウイルスのオミクロン変異株流行にもかかわらず、米景気サイクルが回復力を見せているためだ。

  UPARとRPARはともにアクティブ運用だが、世界の株式、商品、米国債、米インフレ連動債(TIPS)の4つの主要資産クラスで構成する指数のリターンとの連動を目指す。

 

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