(ブルームバーグ): 東京証券取引所は3つの新市場に移行する企業の内訳を公表し、東証1部銘柄以外で新たにプライム市場となる企業は現時点で皆無だった。12日の東京市場ではTOPIX採用期待が後退する格好で、ジャスダックなど新興3市場の時価総額上位の一角に売りが優勢となっている。

  東証が11日に公表した新市場区分では、時価総額上位企業が集中するプライムを選択した企業はトヨタ自動車やソニーグループなど1841社。すべてが現在、東証1部市場に属する銘柄だった。

  大和証券の細井秀司シニアストラテジストは「事前にプライム市場を期待していた銘柄があったものの、名前がなかったのは驚いた」と語る。プライム市場の上場維持基準にスタンダードやグロースなどにはない厳しい開示事項などがあるため、「プライム基準を満たしていても対応を検討しているケースがあるのではないか」と指摘した。

  SMBC日興証券によると、東証1部以外でプライム基準を満たしていると考えられるのはメルカリや日本マクドナルドホールディングス、フリー、フェローテックホールディングス、ウエストホールディングスなどがある。こうした新興市場の時価総額上位で、プライム以外を選択したと事前に表明していなかったとされている銘柄を中心に売りが広がっている。

失望銘柄はジャスダック指数の重しに

  特に影響が大きくなったのがジャスダック市場だ。午後1時30分時点の売買代金首位のフェローテックが一時8.2%安、2位のマクドHDが同4.8%安となったのをはじめ、4位の出前館や6位のウエストホールディングスなども売られた。TOPIXやマザーズ指数などが1%超の上昇率となる中、ジャスダック指数は一時0.6%高にとどまり、指数の重しとなった。

  松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「ジャスダックは歴史があって長く上場している企業が多い」と指摘。その上で、そうした企業は業績面からもともと東証1部に行っても不思議でない企業が少なくなかったとし、今回の市場再編時にもプライムになるのではないかと「判断を間違える向きがあった」との見方を示す。

  プライム市場銘柄となればTOPIXの指数採用銘柄となるため、株式需給にとってプラス材料になる。基準を満たしながらプライムとならなかった銘柄は需給期待がはく落する格好となる。ジャスダック市場以外でも、東証2部の青山財産ネットワークス、マザーズのフリーなどが安い。

  もっとも、プライム基準を満たしながら今回はプライムとならなかった企業の中には、「東証1部の上場申請をにらみながら11日時点では審査が間に合わなかったケースも含まれる可能性がある」と、大和証の細井氏はみていた。

  一方、日経平均株価を構成する225銘柄のうち、「スタンダード」を選択したのは新生銀行のみだった。

(第6段落を追加して更新します)

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