(ブルームバーグ): 昨年12月の米雇用統計で失業率は4%を下回り、賃金の伸びは前月比で加速した。雇用者数の伸びは期待外れだったが、労働市場のタイトな状況をうかがわせ、早ければ3月の米利上げを後押しする可能性がある。

  今回の雇用の数字は、労働需要はなお堅調ながらも育児関連の問題やウイルスを巡る不安、貯蓄増加といった昨秋を通じて雇用を抑制してきた要因が昨年遅い時期まで続いたことを示唆している。ここ最近の新型コロナ感染拡大の主因となっているオミクロン変異株は状況をさらに複雑にし、2022年早期の雇用拡ペースにリスクをもたらしている。

  米雇用統計は失業率に関わる家計調査、および雇用者数の基礎資料となる事業所調査の2つで構成されている。

  求人情報サイト、インディードの経済調査ディレクター、ニック・バンカー氏は「労働市場が回復しつつあるという点で、今回の両調査は一致している」と指摘。「相違は、どの程度速いペースでそれが起こっているのかということだけだ」と述べた。

  平均時給は予想を上回る伸びを示し、前月比で0.6%増。昨年4月以来の大幅な伸びに一致した。前年同月比では4.7%増。こうした伸びの多くはインフレ急伸で損なわれているが、持続的な賃金増加は人員の確保に向け雇用主が報酬を増やすことに意欲的なことを浮き彫りにしている。

  インフレが加速する中での失業率低下や賃金の伸び加速は、より速いペースでの金融政策引き締めを正当化する可能性がある。

FOMC議事要旨:早期利上げ、バランスシート縮小の可能性に言及 (2)

  今回の調査期間は12月中旬に終了したため、オミクロン株関連の同月後半への影響は1月の統計に反映される。

業界別の雇用者数の伸び

  12月に雇用の伸びが目立ったのは、娯楽・ホスピタリティー分野で5万3000人増。専門職・ビジネスサービスも増加。一方、小売業では減少した。

  製造業と建設業はいずれも堅調な雇用増加を示し、こうした業界の活動を制約してきた要因が近く解消し始める可能性を示唆した。

  現在就業している人の割合である就業率は25−54歳で79%に上昇し、20年3月以来の高水準となった。

  コロナ禍に見舞われた米経済だが、今回の統計は前例のない労働市場の回復も浮き彫りにした。昨年の雇用者数は計645万人増と、年間ベースでは過去最大の伸びを記録。失業率は昨年に2.8ポイント低下した。

  統計の詳細は表をご覧ください。

U.S. Jobless Rate Falls as Wages Jump, Adding Pressure on Fed(抜粋)

(キーポイントに追記し、最終2段落を追加して更新します)

©2022 Bloomberg L.P.