(ブルームバーグ): サマーズ元米財務長官は、米連邦準備制度による最近のタカ派傾斜や米国債の下落でも当局と投資家はインフレ抑制に必要な措置をなお過小評価していると指摘した。

  サマーズ氏はブルームバーグテレビジョンの番組で、「私自身の見解では何が必要になりそうなのかを連邦準備制度と市場はまだ認識していない」と分析。「フェデラルファンド(FF)金利に関して2.5%を上回らずに今回のインフレを何とか抑えられると市場と連邦準備制度は判断している」と語った。

  先月示された連邦公開市場委員会(FOMC)の経済予測の中央値では2024年末時点のFF金利は2.1%と、長期見通しの2.5%を下回る。一方、長期金利の指標である10年物国債利回りは2%を大きく割り込んだままだ。

  サマーズ氏は政策金利が2.5%を上回らずにインフレ率が下がるとすれば、米経済がより小規模な引き締めに耐えられなかった場合に限られるのではないかとの見方を示す。

  同氏は「われわれが今後知ることになるのは米経済がいかに金利上昇に脆弱(ぜいじゃく)なのかだろう」と指摘。「一部が主張しているように、債務水準の上昇や資産価格の大幅な膨張で米経済は通常よりも利上げあるいは量的引き締めに脆弱なのかもしれない」と語る。

  7日発表された昨年12月の米雇用統計については「強い」内容だったとした上で、「インフレ加速と整合的な」賃金の伸びを示したと述べた。労働市場の落ち着きがなければより緩やかな物価上昇に向けた「道筋はない」とも話した。

米雇用統計:失業率3.9%に低下、賃金急増−利上げ圧力強まる

  ハーバード大学教授でブルームバーグの寄稿者でもあるサマーズ氏は金利先物や予想を見直したエコノミストと足並みをそろえ、米金融当局が3月の利上げ開始に現実味、大きな可能性があることを示唆したとの見方を示した。

米利上げ、3月開始の見方が急速に強まる−JPモルガンなど予想変更

©2022 Bloomberg L.P.