(ブルームバーグ): 昨年12月の米消費者物価指数(CPI)は39年ぶりの大幅上昇となったが、目を見張るようなインフレ率は今後も続く公算が大きいとみられている。国民の負担はさらに増し、政策当局者に行動を求める圧力が強まりそうだ。

  米労働省の12日の発表によると、12月のCPIは前年同月比7%上昇し、1982年6月以来の高い伸びとなった。前月比では市場予想を上回る0.5%上昇だった。ただ、今回のデータは全体的には予想とほぼ一致したため、投資家は比較的冷静に受け止めた。

米消費者物価指数、前年比で39年ぶり大幅上昇−利上げ観測後押し

  多くのエコノミストは、インフレ率が年内に3%前後に落ち着くと予想しているが、消費者が一息つけるのは数カ月先になりそうだ。特に新型コロナウイルスのオミクロン変異株の広がりが人手不足を一層深刻化させており、店舗への商品出荷に影響するためだ。

  物価の落ち着きを示す兆しが表れない場合、米連邦準備制度の当局者は、より積極的な利上げおよびバランスシート縮小に着手することを余儀なくされる可能性もある。11月の中間選挙で民主党が過半数を維持することを一層困難にし、バイデン政権が推し進める税制・支出法案の成立も難しくなる恐れがある。

  ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、サラ・ハウス氏は「この数カ月の幅広い物価上昇は、打ち砕くのが困難な勢いをインフレに与えている」と指摘。「向こう数カ月間は7%近辺のCPI上昇率が続くと予想する」と述べた。

  12月は項目別でエネルギー価格が4月以来の低下となり、食品価格の上昇もより緩やかになるなど、米消費者にとって明るい兆しもあった。バイデン大統領は物価抑制に向けた取り組みが前進しつつあることを示すと指摘したが、さらに成すべきことがあると認めた。

  インフレ率が予想通り低下するかはサプライチェーンの正常化とエネルギー価格の安定にかかっている。しかし、家賃上昇、賃金の力強いの伸び、コロナ感染の新たな波、サプライチェーン上の根強い制約要因などが物価見通しの上振れリスクとなっている。

  自動車や衣服など一部品目の価格は落ち着いていくと予想されるが、「ほかのコア部分の大半については、同様の展開を期待するような理由は特に見当たらない」とアマースト・ピアポント・セキュリティーズのチーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は指摘した。

  「年内に供給ボトルネックが緩和され始めれば、上昇傾向が沈静化される品目も当然あるだろう。だが同時に、賃金からの物価への圧力は強まるばかりだ」と語った。

 

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