(ブルームバーグ): 中国でオフショア証券へのアクセスが認められている適格国内機関投資家(QDII)商品で成績トップの運用担当者が、中国不動産開発企業のドル建て債を買っている。昨年は保有を減らしていたが、不動産セクター支援に向けて当局が近く追加策を講じると見込んでいる。

  華夏基金で「華夏大中華信用精選債券基金」を運用する鄧思聡氏は、利回りが10−20%に上る開発企業の社債には投資価値があると指摘。投資家が過度に悲観的になっているためだという。ブルームバーグがまとめたデータによれば、鄧氏のファンドはこの1年、25のQDII商品の中で成績トップ。

  同氏は具体的な購入銘柄や取得時期について明言を避けたが、住宅ローン金利や不動産購入規制などの分野で政策が緩和される可能性があると楽観的な見方を示す。「われわれは昨年の早い時期から中国不動産開発銘柄へのエクスポージャーを減らしてきたが、現在ではこうしたドル建て債へのポジションを慎重ながらも増やしている」と説明した。

  地方政府の財政収入に占める開発業者への土地売却収入の割合が大きいことを踏まえ、鄧氏は政策支援の強化を見込んでいる。

  同ファンドの2021年10月の開示では、昨年9月末時点の保有上位5銘柄に中国不動産開発企業のドル建て債はなく、中国恒大集団を巡る出来事を「準システミックリスク」と表現していた。その後、中国恒大の債務返済能力を巡る懸念が広がり、開発企業のデフォルト(債務不履行)も増え、社債価格は大きく下げた。恒大債は20年には鄧氏のファンドでも保有が大きかった。

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