(ブルームバーグ): 鈴木俊一財務相は17日召集の通常国会での財政演説で、2025年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化目標の達成に向けて、歳出・歳入改革を進める考えを表明する。演説案が事前配布された。

  国債発行については、発行総額が約215兆円と「依然として極めて高い水準にある」とし、「市場との緊密な対話に基づき安定的な国債発行に努める」と述べた。

  内閣府は14日、PBの黒字化時期が日本経済がデフレ状況に入る前の経済成長を前提としたケースで26年度となる試算を公表した。岸田文雄首相は25年度に黒字化する目標を変更する必要はないとの見解を経済財政諮問会議で示した。

  ただ試算では25年度のPBは1兆7000億円の赤字。足元の潜在成長率並みを前提としたケースでは、31年度でも黒字化は達成できない見通しとなっている。

PB黒字化26年度へ1年前倒し、首相「目標変えず」−内閣府 

  一方、岸田文雄首相は施政方針演説で、成長と分配の好循環による「新しい資本主義」の実現が「経済再生の要」だと強調。分配戦略の柱とする賃上げについて、春闘では近年の賃上げ率の低下傾向を「一気に反転させ、新しい資本主義の時代にふさわしい賃上げが実現することを期待する」と語った。

  従業員のスキル向上や再教育の充実を含めた「人への投資」を、官民で「早期に少なくとも倍増し、さらにその上を目指していく」と表明。企業の人的投資を強化する目的で今年中に非財務情報の開示ルールを策定するほか、「四半期開示の見直しを行う」と改めて明言した。男女の賃金格差を是正するため、企業の開示ルールを見直す方針も示した。

(岸田首相の施政方針演説を追加して更新しました)

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