(ブルームバーグ):

米投資会社大手ブラックロックを率いるラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は、サステナブル(持続可能)なビジネス慣行を重視しない企業は取り残されると警告した。環境に配慮した投資決定は政治的な動機に基づく流行にすぎないとの批判に反論した。

  フィンク氏は企業経営者に宛てた年次書簡で、「ステークホールダー資本主義は政治と無関係だ」と断言。「ソーシャルなアジェンダでも、イデオロギー的なアジェンダでもない。『Woke(ウォウク)』ではない」と擁護した。フィンク氏が用いた「ウォウク」は目覚めたという言葉に由来し進歩派を意味する俗語だが、保守派が進歩派を揶揄(やゆ)する意味で使われる。

  フィンク氏が年次書簡を公開するようになったこの10年で、ブラックロックの資産は10兆ドル(約1146兆円)を超えるまでに膨張。多くの大手企業に出資するまでに成長した。同時にサステナブル投資ブームの恩恵にもあずかり、サステナブル資産のポートフォリオは5090億ドルと、1年間で2倍以上に増えた。

米ブラックロック、運用資産が初の10兆ドル突破−ETF資金急増 (1)

  ニューヨーク時間17日夜にウェブサイトで公開された今年の書簡は、化石燃料に対するブラックロックの立場を明確にしている。「セクター全体から投資を引き揚げる、もしくは炭素集約型資産を単に公開市場から非公開市場に移すことでは、ネット・ゼロの世界は実現しない」と指摘。「ブラックロックは石油・ガス企業からの投資引き揚げを目指すつもりはない」と言明した。

  ここ数年の書簡と大きく異なるのは、気候変動ではなく資本主義が脚光を浴びたことだ。「われわれがサステナビリティーを追求するのは環境保護主義者だからではなく、資本主義者であるからであり、顧客に対する受託者責任があるからだ」とフィンク氏は記述。短期的な結果よりも長期的な利益を優先するよう、企業に促した。

 

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