(ブルームバーグ): マイクロソフトによるゲームソフト会社アクティビジョン・ブリザードの買収により、ゲーム業界の大手2社が統合することになる。全額現金の687億ドル(約7兆8700億円)に上る買収は、マイクロソフトにとって2016年の米リンクトイン買収の約3倍に上る規模で、過去最大の案件。

マイクロソフト、アクティビジョンを7.9兆円で買収へ−過去最大 (3) 

  このような巨額買収が実現した理由は主に5つある。

規模:規制当局に承認されれば、統合新会社はテンセント・ホールディングス(騰訊)とソニーに続く世界3位のゲーム企業となる。アクティビジョンは単独ではゲームの新世界で戦えなかったと、同社のボビー・コティック最高経営責任者(CEO) はインタビューで述べた。フェイスブックやグーグル、アマゾン、アップル、テンセントなどは巨大で、「われわれの夢と大志を実現するにはパートナーが必要ということに気付いた」と語っている。一方、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは18日、「地球上の全ての人にゲームの喜びと一体感を届けることがわれわれ2社の目標だ」と投資家に話したモバイル:ゲームで最も高成長を遂げている分野。アクティビジョンは人気ゲームソフト「キャンディークラッシュ」を手掛けたモバイル向けゲーム制作スタジオ「キング」を所有する。マイクロソフト製ゲーム機「Xbox」責任者でマイクロソフト・ゲーミングのCEOに指名されたフィル・スペンサー氏は「地球上でナンバー1のゲーム機が携帯電話であるのは誰でも知っている」とインタビューで発言アップストアの手数料を回避:ナデラ氏は十分な規模となった自身のゲーム帝国に、ゲーマーがアップルの「アップストア」を経由せず直接訪れることを望む。マイクロソフトはアプリ提供サービスを通じたゲーム販売手数料を巡りアップルやグーグルと争っている。ナデラ氏は「販売を巡る制約を減らすことが必要だ」と投資家との電話会議でコメント。スペンサー氏も携帯電話向けゲームについて、「こうした端末での販売は2人、大企業2社に支配」されており、ゲームとコンテンツ提供で「制約を受けない」態勢を目指していると語ったメタバース(仮想空間):ゲームはマイクロソフトのメタバース事業で二本柱の1つ(もう1つは「オフィス」と会議用ソフト)。「マインクラフト」や「ヘイロー」といったゲームソフトに囲まれて育ってきたゲーマーのコミュニティーはメタバースの概念と似ているとナデラ、スペンサー両氏はみている。さらに巨大で熱意を高めたゲームコミュニティーが今回の買収をきっかけに独自のメタバースを生み出すことになる。ナデラ氏は「われわれのメタバースがどうなり得るかを考えてみると、単独の集中型メタバースにはならないと思えるし、そうなるべきでもない」と指摘。「メタバースの多くのプラットフォームを支える必要がある」とした3つのC:ナデラ氏の企業戦略はクラウド(cloud)、コンテンツ(content)、クリエーター(creators)で構成されている。マイクロソフトはアクティビジョンが保有する過去と将来のかなりのコンテンツを、クラウドの自社ゲームサービス「Xboxゲームパス」の対象にしたい考え。定額制のこのサービスでは着実な収入を確保でき、同社の売上高が押し上げられている。今回の買収を通じて同社はゲームの独自コンテンツ・世界を生み出すクリエーターらも利用できるようになる

Five Reasons Microsoft Is Making Activision Its Biggest Deal Yet(抜粋)

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