(ブルームバーグ): 中国の規制当局は、不動産開発企業が物件の事前販売で集めた資金を管理する預託口座へのアクセス制限に関して一部解除を検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。資金繰り難の緩和に向けた大きな一歩となりそうだ。

  非公開の協議だとして匿名を条件に話した関係者によると、住宅都市農村発展省と銀行保険監督管理委員会(銀保監会)など当局は、詳細について話し合いを続けており、地方政府への窓口指導を通じてこうした指示を月内に伝える可能性がある。当局は不動産危機の深刻化を防ぐための政策パッケージを検討していると関係者の1人が述べた。

  住宅都市農村発展省と銀保監会にコメントを求めたが、すぐには返答がなかった。資金繰り支援検討についてはロイター通信が先に報じていた。

  事前販売で集めた資金にアクセスしやすくすれば、資金繰りに苦しむ開発業者のキャッシュフローは改善する。中国のジャンク(投資不適格)級ドル建て債利回りは今月に入り20%を上回るなど、オフショア市場での資金調達は極めてコストが高くなっている。

  財務が脆弱(ぜいじゃく)な企業は中国本土の投資家への債券発行も難しくなっている。エクイティーファイナンスも同様で、不動産開発の融創中国は先週、増資に踏み切ったが、香港上場株は13日に23%安と、上場来の大幅下落率を記録した。

不動産開発の融創中国、社債と株価が大幅下落−約665億円の増資

  今回の報道を受けて、高利回り債は19日、額面1ドルに対し一時10セント上昇する一方、中国の不動産株が大幅に値上がりした。わずか数日前はかつてない安値まで下落していた碧桂園と融創中国の社債は記録的な上げとなった。19日の株式市場では空売り勢のお気に入り銘柄、雅居楽集団が13%高と、2015年以来の大幅上昇で引けた。

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