(ブルームバーグ): 中国株に強気に転じるストラテジストが増える中でも、モルガン・スタンレーのジョナサン・ガーナー氏はこうした流れにはっきりと抵抗している。

  中国株が昨年2月に急落する直前に、バリュエーションやマクロ経済のリスクについて警告していた同行アジア・新興市場担当チーフストラテジストのガーナー氏は、底入れを予想するのは時期尚早だと考える。こうした慎重論とは対照的に、ゴールドマン・サックス・グループなどのストラテジストは、中国株の今年の上昇率が2桁に上ると予想する。

  ガーナー氏は1月11日にブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、新型コロナウイルスのオミクロン変異株や米金利上昇による脅威に触れ、「この弱気相場がどれだけ長く、さらに深刻化し得るか。われわれの見立てでは終わりに近づきつつあるものの、残念ながら中国と新興国の成長セクターの評価がさらに引き下げられる可能性が高いと思う」と語った。

 

  ガーナー氏は香港ハンセン指数の年末目標を2万5000、中国本土のCSI300指数については5250に設定。21日終値時点では、ハンセン指数はほとんど上値が見込めず、CSI300指数は10%弱の上昇余地を示唆した。

  昨年に大幅下落した中国株式相場は2022年に入り、中国規制当局の引き締めが最悪期を過ぎたとの見方や金融緩和策による追い風を背景に明るさが戻っている。ハンセン中国企業株指数(H株)は年初来で6%上昇し、下落が続くS&P500種株価指数をアウトパフォーム。両指数の対照的な動きは、中国人民銀行(中央銀行)が経済の下支えで追加策を講じると表明する一方で、米連邦準備制度は3月に利上げを本格的に開始する方針を明確にしていることが一因だ。

  しかしガーナー氏には、中国企業の自己資本利益率(ROE)低下と不動産企業のデフォルト(債務不履行)が依然として懸念要因だ。モルガン・スタンレーによると、 MSCI中国指数のROEは07年から08年のサイクルで18%でピークに達し、現在は12%。

  同氏はインタビューで、相場の転換点を見極める上での注目指標について問われた際、企業収益とバリュエーション、テクニカル分析に言及。最終的には中国当局からの追加景気刺激策が必要になる公算が大きいと述べ、不動産セクターの動向と成長株の世界的な評価引き下げなどに注目すると答えた。

 

Morgan Stanley Strategist Who Called China Rout Still Won’t Buy(抜粋)

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