(ブルームバーグ): 中国の不動産セクターで資金繰り難に陥っている開発会社の資産売却が進みつつある。国有企業を巻き込んだ業界再編で、債務危機が和らぐ可能性もある。

  雅居楽集団と世茂集団はこの数日で、国有企業への事業の持ち分売却を相次ぎ発表。地方銀行の上海浦東発展銀行は不動産セクターの合併・買収(M&A)関連融資に必要な資金を確保するため債券を発行する計画で、その条件を決定。また、少なくとも2社の国有不動産開発会社もM&A関連社債を発行する計画だ。

  中国の規制当局はこうした資産売却を、不動産業界を圧迫し景気回復を妨げる流動性危機を緩和する重要なステップと見なしている。当局は昨年12月、不動産セクターのソフトランディング(軟着陸)を目指した措置の一環として、主要不動産会社によるM&A資金の借り入れ規制を緩和した。

中国当局、銀行に不動産融資の強化促す−デフォルト懸念台頭で 

  不動産開発各社による資産売却で、株式・社債投資家の間には楽観的な見方が広がりつつある。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の中国不動産株指数は24日、5営業日続伸。この間の上昇率は一時12%と、このままいけば1年半で最大の値上がりとなる。クレジットトレーダーによると、不動産開発企業が大半の中国高利回りドル建て債は額面1ドルに対し2セント値上がりする場面もあった。

  雅居楽は合弁会社の持ち分を18億4000万元(約330億円)で売却すると24日に発表。中国最大級の不動産開発会社で政府系の中国海外発展が間接的に完全保有する広東中海地産が買い手となる。

中国不動産開発の雅居楽、広州の合弁持ち分330億円相当を売却へ

  BIアナリストのクリスティー・フン、 パトリック・ウォン両氏はリポートで、「国有の不動産開発会社から流動性支援があれば、雅居楽の支払い能力に対する投資家の懸念は和らぐ可能性がある」と指摘した。

  世茂は21日、上海市政府の公有資産を主に管理する上海久事に不動産管理部門を10億6000万元で売却することで合意したと発表した。また、世茂は広東省広州市での事業持ち分を中国海外発展に売却する方向で交渉していると中国メディアの財聯が24日に報じた。

  24日の香港株式市場で、雅居楽の株価は一時8.1%高。一方、世茂株は6.8%高となる場面もあったが、その後は前営業日終値を挟む値動きだった。

©2022 Bloomberg L.P.