(ブルームバーグ): 中国で悪化しつつある新型コロナウイルスの感染拡大が不動産不況を長引かせている。

  市場が無秩序な混乱に陥ることを阻止すると政府が表明したことから、数週間前には状況が好転するかにも見えたが、上海を含む主要都市のロックダウン(都市封鎖)が住宅市場の動きを止めており、すでに資金繰りに苦しんでいる不動産開発会社の手元資金が一段と細っている。

  18日発表の公式統計に基づく算出によれば、3月の住宅販売額は前年同月比29%減と、昨年7月以来の大きな落ち込みとなった。3月の新築住宅価格は7カ月連続での前月比での下落だ。

中国の住宅販売額、3月は昨年7月以来の大きな落ち込み−コロナ響く

  UOBケイ・ヒアンのアナリスト、ジブ・アン氏(クアラルンプール在勤)は「コロナ流行で市場の底を見極めるのが難しくなった」と述べる。同氏はこれまで5月ごろに住宅販売が底を打つと見込んでいた。

  マッコーリー・グループの中国経済責任者、胡偉俊氏によると、「ロックダウンの大きな負け組が不動産セクター」だ。「セクターの好転には全国レベルでの政策支援強化が必要だ」と同氏は語る。すでに大手開発会社の正栄地産集団は今月、新型コロナの影響で社債利払いができないと発表している。

中国不動産の正栄地産、ドル建て債2銘柄で利払いせず−25億円相当

  住宅市場への影響は、湖北省武漢市で最初のコロナ感染が広がった2020年の早い時期と比べより深刻となる公算が大きい。武漢市の不動産販売は全国の0.8%にすぎないが、上海と深圳は合わせて6.5%だ。

  中国人民銀行(中央銀行)で調査統計局長を務めた盛松成氏は「今回のコロナ流行は突然で、すでに落ち込んでいた不動産業界に新たなリスクをもたしている」と指摘。「不動産政策が依然として全般的に厳格なことを踏まえると、住宅販売が最終的に20年に見られたような大幅な持ち直しを再現できるかどうかはまだ分からない」と話している。

©2022 Bloomberg L.P.