(ブルームバーグ): 金融庁は25日、国内のESG(環境・社会・企業統治)関連の投資信託についての調査結果を公表した。ESG投信を提供する資産運用会社のうち、3割でESG専門部署がない実態が明らかになり、金融庁は体制整備を進めるよう促した。

  金融庁が調査したのは、昨年10月末時点で運用会社37社が扱っていた225本の投信。ESG投信は増加傾向にあり、2021年に新規設定されたのは前年比2.3倍となる96本だった。ただ、投信を提供する上で運用会社が十分に体制を整えられていない例がみられた。

  調査結果によると、ESGの専門部署を設けていないと回答したのは11社で全体の30%、専門人材が全くいないと答えたのは14社と全体の38%に上った。金融庁は「ESG投資を実施するための実効的な体制整備を進めるべき」と指摘した。

  実体が伴わないのに環境配慮などを装う「ESGウォッシュ」は、ESG分野で先行する欧州でも問題視されている。昨年8月には、ドイツ銀行の資産運用部門であるDWSグループに対し、米独の当局が調査していることが報じられた。

  金融庁がESG投信に関する問題点を整理したのは初めてで、今後も継続的に運用会社と意見交換しつつ「ESGウォッシュ」の未然防止を図りたい考えだ。

  一方、調査対象となった投信のうち、約7割が運用の全部もしくは一部が外部へ委託されていることも判明。外部委託先のESG投資戦略やエンゲージメントの実施状況について「具体的には把握していない」と回答する運用会社もあったという。

(グラフを追加します)

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