(ブルームバーグ): 世界各国・地域の中央銀行が金融緩和策を引き揚げインフレと闘う姿勢を強めているのとは対照的に、中国は新型コロナウイルス危機から国内の経済と市場を救おうと取り組んでいる。だが、その方策は尽きつつあるように見える。

  コロナのパンデミック(世界的大流行)が始まった2020年、中国政府は国内製造拠点での混乱を抑えることに成功。世界中の中銀が投資家の信頼感を支えるため供給した前例のないほど潤沢な流動性に頼ることもできた。だが、今は大きく異なる状況だ。他国が経済活動の再開に軸足を置く一方で、徹底的にコロナを抑え込む厳格な「ゼロコロナ」戦略を堅持する中国だけがロックダウン(都市封鎖)を繰り返している。

習氏は経済よりイデオロギー優先、中国株下落が映し出す投資家の懸念

  中国人民銀行(中央銀行)は景気を支えると26日にあらためて表明したが、金融リスクと債務、インフレの抑制を重視し、刺激策が行き過ぎるのを警戒しているようだ。

中国人民銀、実体経済支援強化する方針−市場落ち着かせる試み 

  プリンシパル・グローバル・インベスターズのチーフストラテジスト、シーマ・シャー氏(ロンドン在勤)は「難しい外部環境の中で中国の政策当局が直面している広範な苦境が人民銀の苦しい闘いに反映されている。ゼロコロナと年5.5%前後の経済成長という矛盾する政策目標のバランスをどう取るかに人民銀は腐心している」と指摘。「この先の不確実性を踏まえると、今は株など中国市場にオーバーウエートする時期ではない」と語った。

  BNPパリバ・アセット・マネジメントのアジア株式責任者、陳志凱氏は「ゼロコロナ戦略とは相容れない全体的な経済政策をどう運営していくのか疑問だ。複雑極まりない」と述べた。

 

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