(ブルームバーグ): 世界最大のヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツのチーフ投資ストラテジスト、レベッカ・パターソン氏は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長に対し、より一層タカ派的になるべきだというメッセージを伝えたいと思っている。

  パターソン氏によれば、インフレ抑制のためには、パウエル議長が考えるよりも政策金利をはるかに高く引き上げる必要がある。予想される積極的な金融政策の引き締めが、全ての年限で利回りを引き続き押し上げると見込まれ、ブリッジウォーターがイールドカーブ全体で米国債をショートにする理由をそれは説明する。

  パターソン氏は12日のインタビューで、「米連邦準備制度の大幅な引き締めにもかかわらず、インフレ率が今後3年で2%に戻らず、下がっても3%前後という見通しを市場は軽視している」と語った。

  連邦準備制度の政策担当者は、インフレ抑制に必要なフェデラルファンド(FF)金利水準を2.8%と示唆してきたが、市場の価格設定を見る限り、今回の引き締めサイクルでは、それを上回る3%強でFF金利誘導目標がピークに達する見通しが反映されている。

  しかし、パターソン氏と同僚らは懐疑的だ。そうした見通しの下でさえ、米国の10年国債利回りは今月に入り過去3年余り見られなかった2.98%前後、今後10年のインフレ期待を反映するブレークイーブンインフレ率(BEI)も約2.9%に達した。

  連邦準備制度がどこまで利上げすべきだと考えているかパターソン氏は厳密に言及しなかったが、「米10年国債利回りにはかなり上昇余地がある。3%は実に簡単に到達し、4%に達する可能性も排除しない」との認識を示した。

  ドイツ銀行のエコノミストらも26日のリポートで、1980年代以降で最も積極的な金融引き締めが必要になる可能性が高く、控えめに見積もっても、FF金利誘導目標を5−6%のレンジに引き上げざるを得ないと分析していた。

  パターソン氏は20年ぶりの安値水準にある円の対ドル相場について、日本の当局者による口先介入も日米の金融政策の乖離(かいり)に起因する下降トレンドのスピードを落とす程度の効果しかないと予想され、円安が進行する余地はさらにあると指摘した。

  円安は輸出を促進する一方、インフレを引き起こすプラスとマイナスの影響があると述べる一方、「日本は長期にわたり物価上昇を実現しようとしてきた。今回の動きをリセットの好機と捉えるのではないか」との見解を明らかにした。

(円相場に関する見解を追加して更新します)

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