(ブルームバーグ): パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は4日、連邦公開市場委員会(FOMC)会合後に記者会見する。議長の発言次第では、インフレ抑制のために当局がどこまで政策金利を引き上げるかについて、投資家の予想にも大きな変化が生じる可能性がある。

  パウエル議長をはじめとする当局者は、年内に早急に2.5%前後の中立水準まで利上げした後は引き締めペースを緩めたい考えだが、中立水準を上回る一段と景気抑制的なスタンスが必要になるかもしれないとの見解を議長が会見で示唆すれば、それは大幅な転換と受け止められそうだ。

  当局者はリセッション(景気後退)入り回避を望むとともに、パウエル議長も経済を失速させずにインフレ率を2%の目標に誘導するソフトランディング(軟着陸)は可能であると自信を表明している。

  その一方で議長は3月21日、「中立の一般的な目安よりも抑制的なスタンスにまで引き締めが必要と判断すれば、その通り行動する」と述べ、物価安定を優先する考えを示した。

  こうした状況にあって、パウエル議長は4月21日のパネル討論会で、利上げの前倒しに支持を表明し、5月3、4両日のFOMC会合での0.5ポイント引き上げに加え、6月も少なくとも同幅の利上げが行われるとの観測を補強することになった。

  また、3月15、16両日のFOMC議事要旨では、9兆ドル(約1173兆円)規模のバランスシート圧縮開始で5月に合意し、圧縮ペースを速やかに月額950億ドルに増やしていく方針であることが示された。

  元FRB理事で、現在は政策分析会社LHマイヤーを率いるローレンス・マイヤー氏は、インフレとの闘いで「途中停止することはない」とし、「周りを見回し」ながらも、中立金利よりも先へと「緊急に動きを進める必要がある」と指摘した。

  金融市場の現行のコンセンサス予想は、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が最終的に3.4%を上回る水準にまで引き上げられるというものだ。これは当局者が2023、24両年について3月公表の経済予測(中央値)で示した推計値の2.8%を上回る。

  それでもドイツ銀行のエコノミストは、インフレ抑制のために当局は5−6%のレンジまでもっと積極的に利上げする必要があり、それが来年の深刻なリセッションにつながるだろうとみている。

  ブルームバーグ・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、アナ・ウォン氏は「ソフトランディングへの経路は極めて狭い」とし、その実現は労働需要を満たすだけの労働力供給の伸び加速次第だが、その可能性は低いかもしれないと述べた上で、「当局は利上げを続けて4%に近づくまでストップする余裕はないだろう」と話した。

Powell’s Fed Set to Go Big and Keep Going Until Inflation Tamed(抜粋)

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