(ブルームバーグ): ソニーグループは10日、今期(2023年3月期)の連結営業利益が前期比3.5%減の1兆1600億円になるとの見通しを発表した。ブルームバーグが集計したアナリスト24人の予想平均1兆1961億円を下回った。

  映画やゲーム分野が減益となる見通し。映画分野では前期(22年3月期)に大型作品のヒット作があったほか、事業譲渡益の計上があったことの反動があるとしている。

  ゲーム分野では、ゲームソフト開発費を中心としたコスト増や、米ビデオゲーム会社バンジーを含め今期に取引完了を予定している買収関連費用の計上が重しとなる。

  今期の業績予想の前提となる為替レートは1ドル=123円前後、1ユーロ=135円前後を想定。都内で会見した十時裕樹最高財務責任者(CFO)は、対ドルで1円円安方向に動いた場合には営業利益に10億円のプラス効果が、対ユーロでは70億円のプラス効果があると説明した。

  このほか、同社は2500万株(発行済み株式総数の2.02%相当)、2000億円を上限に自己株式を取得する方針も発表。取得期間は11日から23年5月10日までを予定している。

  十時氏は、今期の家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)5」の販売について、部材調達のめどが立った1800万台を目標にすることを明らかにした。目標台数は前期実績の1150万台を上回るものの、昨年5月に示した今期目標の2260万台を下回る。

  同氏は「1800万台計画はあくまで現時点で部品の供給にめどがついているもので、感触としては需要はもう少し高いレベルにあり、まだ若干足りない」との認識を示した。

  十時氏は、半導体分野でモバイルセンサーや車載向け需要の伸びが加速することが見込まれていることから、24年3月期までの3年間の中期経営計画で約7000億円としていた設備投資額を、約9000億円に増額する方針も示した。

  スマートフォン向けCMOS画像センサーが主力の半導体事業は、中国スマホ市場が軟調となっている中、収益性の回復が課題となっている。4月には世界最大手の半導体受託生産会社、台湾積体電路製造(TSMC)と共同出資する熊本県の半導体工場を着工した。

  米モーニングスターの伊藤和典アナリストは「モバイル向けイメージセンサーで大幅増収の予想は良いサプライズ」と指摘。増収幅に比べると増益幅は控えめな印象で、「為替影響を勘案しても、利益予想は今後切り上がっていく公算が大きい」との見方を示した。 

PSプラスの契約者数微減

  発売2年目となるPS5では、半導体などの部品不足や物流の混乱などが影響し、現在でも入手が難しい状況が続く。ソニーGはゲーム事業の収益性を改善を狙い、オンラインでゲームが楽しめる有料会員サービスを強化しているが、同サービス「PSプラス」の3月末時点の契約者数は4740万人と、21年12月末時点(4800万人)や21年3月末時点(4760万人)と比べて減少した。

  伊藤氏は、契約者数が減少しているのは懸念材料だとし、PS5の「ハードの増産態勢や潤沢で魅力的な新作ソフトの発売で勢いを再び活性化させることが求められる」と述べた。

  ソニーGの22年1−3月期の営業利益は前年同期比2倍超の1386億円だった。

 

 

(十時CFOの会見での発言を追加して記事を更新します)

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