(ブルームバーグ): 厳格なロックダウン(都市封鎖)を伴う中国の新型コロナウイルス対策が同国経済に大きな打撃を与え、世界のグローバルチェーンを混乱させる中、中国共産党の習近平総書記(国家主席)には約束した景気支援の実行を求める圧力が強まっている。

  国家統計局が4月30日発表した4月の購買担当者指数(PMI)は、金融センターの上海や自動車製造の中心地である吉林省長春でのロックダウンをはじめ、中国各地の経済活動鈍化が引き起こしたダメージを如実に示した。PMIの発表を受け、オフショア人民元は下落した。

  4月のPMIは製造業、非製造業のいずれも、湖北省武漢を中心にコロナの感染拡大が始まり制限措置もさまざまに広がっていった2020年2月以来の低水準を記録した。

中国の経済活動が急速に縮小、PMI示唆−「ゼロコロナ」打撃 

  PMI発表の前日、29日には共産党中央政治局が会議を開き、徹底的にコロナを抑え込む「ゼロコロナ」政策を堅持すると同時に、経済成長目標を達成するとあらためて表明。この2つの目標は相反するとみるエコノミストらの多くが今年の経済成長率見通しを政府目標(5.5%前後)を大きく下回る水準に引き下げている。

中国中央政治局、成長促進で刺激策−ゼロコロナの方針維持

  ピンポイント・アセット・マネジメントの張智威チーフエコノミストは、「ロックダウンが断続的に続きそうで、4−6月(第2四半期)の国内総生産(GDP)成長率はマイナスに転じると私は見込んでいる」と説明。「今後の焦点は中国政府が経済への打撃を和らげるため、コロナを容認しない政策をどのように微調整するかになる」と述べた。

  世界の工場と呼ばれる中国のロックダウンは物資の供給不足の可能性を意味し、世界的にインフレ面でのリスクを増大させる。当局は円滑な物流を繰り返し呼び掛けているが、コンテナに積み込まれた商品は何週間にもわたり上海の港湾にとどまったままだ。

  TDセキュリティーズの新興国市場戦略責任者ミタル・コテチャ氏は「供給圧力悪化の多くの証拠があった」とリポートで指摘。 「一部の都市や省で段階的な緩和が見られる一方で、物流とサプライチェーンの圧迫に製造業が苦しんでいる」とコメントした。

  「引き続き成長に関し深く懸念している」とする野村ホールディングスのエコノミストらはリポートで、「政治局会議で発表された多くの政策措置にもかかわらず、パンデミック(世界的大流行)の今後とそれに対処するゼロコロナ戦略に市場は引き続き注目すべきだとみている。それ以外の政策は全て二の次」との見方を示した。

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